米国株が続落、為替も円高を嫌気して「鯨幕相場」も終わり軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年09月03日 15時56分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10214.64円 ▼65.82円
売買高 17億4918万株
日経平均先物 10200円 ▼110円
売買代金 1兆2484億円
TOPIX 942.77 ▼7.04
値上がり銘柄 365銘柄
東証マザーズ指数 451.53 ▼2.36
値下がり銘柄 1214銘柄
日経ジャスダック平均 1249.40円 ▼1.62円
変わらず 114銘柄
騰落レシオ 95.36% ▼3.43%

日経平均

米国株が続落、為替も円高を嫌気して「鯨幕相場」も終わり軟調

 米国市場が軟調、為替も円高ということで売りが先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと伝えられたことも売り急がせる要因となり、寄り付きの売りが一巡した後も戻りの鈍さを嫌気した売りに押されて、一気に日経平均は10200円を割り込む場面もありました。ただ、さすがに10200円を割り込んだところでは下値を売り叩くというよりは目先筋の買戻しもあり、為替が落ち着くと戻り歩調となりました。

 昼の間に中国市場が大幅高となったことなどを手掛かりに後場の寄り付きは買い先行となりました。前場の高値水準を抜けて寄り付き、買戻しを急ぐ動きから堅調となる場面もありました。ただ、そうした買いが入っても長続きせず、上値の重さを確認する前に先物にまとまった売りが出ると一斉に見切り売りが出て前場の引け値水準まで下落するという状況でした。結局その後は盛り上がりに欠ける中で小動きとなり、最後は買戻しもあったのですが、戻り切らず軟調となりました。

 小型銘柄も軟調なものが目立ちましたが売り急ぐようなこともなく下げ幅も限定的となりました。東証マザーズ指数、二部株指数、日経ジャスダック平均と揃って軟調となりました。先物は相変わらず仕掛け的なまとまった売り買いは散見されますが、今日は追随する動きも少なく方向感が出る場面はほとんどありませんでした。買い手掛かりがないなかで下値の節目まで下落したことで、積極的な売りも買いも手控えられたものと思います。

 相変わらず市場参加者に広がりがなく、目先筋の売買が中心で盛り上がりに欠ける相場展開となっています。材料株も最後まで買いが続かず、材料含みの銘柄を手掛けては見るものの値動きが悪いので早めに見切る動きのようです。インフルエンザや新政権など材料は豊富な気もするのですが、市場参加者が少なく目先の値動きばかりを追う向きがおおいので、「普通の」材料では盛り上がらないということなのかもしれません。明日も10100円台半ばを割り込まなければ戻りを試す動きとなって来るのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 下値の節目で「寄り引け同事線」となり、底値を確認するパターンとも考えられます。遅行線もかろうじて日々線にサポートされており、明日寄り付きから高く、できれば10400円水準を上回って始まると底入れとなるものと思われます。ただ、RSIやストキャスティックスが下げ足りないことから、軟調な展開、10100円を割り込むような展開が続けば遅行線が日々線を割り込んで調整が長くなりそうで、下値目処は9800円程度となる可能性が高くなります。明日、しっかりと反発してくるかどうか正念場というところです。

TOPIX

NYダウ

 下値目処ぎりぎりのところで下げ止まりました。遅行線も日々線を意識して下げ止まっているのですが、明日反発とならないと遅行線が日々線を割り込むことになり調整が長引きそうです。RSIもストキャスティックスも下げ足りないことから反発となっても戻りも鈍くなりそうです。明日、しっかりと反発してこないと930ptあたり、雲の水準まで下落して下値を確認することになりそうです。

円相場

NYダウ

 7月安値(1ドル=92円前後)を窺う展開となっています。RSIやストキャスティックスは底値圏にあり反発となってもいいところですが、7月も何度か下値を試したように、今回も何度か下値を試し、底堅さが確認されてから反発となって来るものと思います。

銘柄ピックアップ

好材料に素直に反応する動きもあり底堅い

ABC マート(2670) 2685 △100

 昨日の引け後に発表した8月の全店売上高が前年同月比12.8%増となり、引き続き堅調な業績となっていることから好感する買いが入り大幅高となりました。

アース製薬(4985) 2900 △250

 大幅高となり、1月27日以来約7カ月ぶりに年初来高値更新となりました。ウイルスなどの侵入を防ぐ効果が高い高級マスクを自社ブランドで販売すると新聞で報じられたことを好感して買いが入りました。

ディスコ(6146) 5810 △160

 国内証券がフラッシュメモリー用上は薄化装置、発光ダイオード(LED)用レーザー切断装置の受注回復が従来予想を大きく上回るとして投資は段を引き上げたことから買われ、年初来高値更新、大幅高となりました。

新日科学(2395) 908 △100

 偏頭痛薬の経鼻投与剤開発を発表した。インフルエンザワクチンへの利用が取りざたされて買われ、その後調整となっていただけに買い直されて大幅高となりました。

川崎船(9107) 391 ▼7

 主力のコンテナ船は世界的に供給過剰が続き、収益の回復は容易でないとして国内大手証券が投資判断と目標株価を引き下げたことが嫌気されて売りがかさみ軟調となりました。

大日住薬(4506) 1025 △12

 米製薬会社を買収、米国市場に進出すると新聞で報じられたことから、収益拡大を期待する買いが入り買い気配で始まり、一時大幅高となりました。少子化で国内市場の成長が期待出来ないなか、海外市場に成長性を求める動きを評価したものと思います。

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