雇用指標が予想を下回ったことや金融機関への不安も根強く続落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年09月03日 08時28分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9280.67▼29.93

<NASDAQ>1967.07▼1.82

<為替:NY終値>92.3-92.36

雇用指標が予想を下回ったことや金融機関への不安も根強く続落

 朝方発表になった民間調査の雇用レポートで非農業部門の雇用者の減少幅は改善してはいるものの予想を下回ったことや金融機関に対する懸念も根強く、前日の大幅下落の反動もなく軟調な始まりとなりました。さすがに値ごろ感からの買いや買戻しなども見られましたが、高値警戒感も根強いことから上値の重い展開となりました。投資判断の引き下げに敏感に反応する動きもある一方で、前日大きく売られた銘柄のリバウンドなどもあり、結局は方向感に乏しい下値を模索するような展開の中でダウ平均は4日続落、ナスダック指数は小幅ながらも3日続落となりました。

 下値の節目のようなところで底堅さは見られ、値ごろ感からの買いが入る銘柄も見られるのですが買戻しを急ぐ動きや積極的に買い上がる動きには乏しいようです。景気回復が見えて来たことでの出口戦略が見えないことやまだ個人消費や雇用に不安が残されていることなどからいったん持高を調整する動きが続いているということなのでしょう。今後も主要な経済指標の発表を控えていることもあり、方向感のない展開が続くのではないかと思います。

 個別にはメキシコ湾で大規模な油田を発見したと発表した英BPは大幅高、金価格が大幅高となったことから、ニューモントマイニングなど金鉱株が高く、前日の大幅下落の反動でAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)は大幅高となりました。一方JPモルガンチェースは金融機関に対する懸念が台頭したことを受けて軟調となりました。利益確定の売りも続いており、インテルやマイクロソフトは軟調となりましたが、シスコシステムズやHP(ヒューレット・パッカード)は堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や円高に振れたことを嫌気して大幅下落となりました。節目と見られる10200円水準では下げ止まったのですが、先物への執拗な売りもあって戻りも鈍く、大幅下落となりました。材料株物色ともならず、買い気の乏しい展開で寄り付きから大きく下げたあとは小動きとなるなど盛り上がりに欠ける展開となりました。

 米国株が前日の大幅下落の反動もなく軟調となったことから、日本市場も上値の重い展開となりそうです。為替も一段と円高方向にあり、指数に影響の大きな輸出株などが利益確定売りや見切り売りに押されそうです。ただ、ここのところ指数は目先の需給に振り回される場面が多く、先物にまとまった買いが入れば戻し、売りが出れば下押すということなのかも知れません。個別の材料物色も長続きがしない相場が続いていますが、民主党関連の内需株やディフェンシブ銘柄、あるいはインフルエンザ関連銘柄などが物色されるのではないかと思います。

 一目均衡表で日々線が基準線をあっさりと下回ってしまいました。遅行線も日々線に絡むところであり、ここで反発、少なくとも底堅さが見られないと調整が長引いてしまうかもしれません。今日明日で10400円水準まで戻らないと調整となってしまいそうですが、米国市場の戻りの鈍さを見ていると難しいのかもしれません。下値は遅行線が日々線にサポートされる水準である10100円台半ばでは下げ止まるものと思われますが、その後すぐに戻るのかどうかも注目されるところです。

本日の注目点

◇欧州中央銀行(ECB)理事会(フランクフルト)

◇8月の米ISM非製造業景況感指数

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