米国株安や円高を嫌気して見切り売りもかさみ大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年09月02日 17時04分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が大幅下落となったことや円高となったことで、大幅下落となりました。寄り付きから売り気配で始まるものが多いなど大幅安で始まった後も、戻りを試す場面もなんどか見られたのですが、先物にまとまった売りが出て上値を抑え、戻りも限定的となりました。材料株物色ともならず、ほぼ全面安となりました。

 それにしても何処の株式市場にしても、商品市況にしても、そして選挙にしても一方向に大きく動きすぎるような気がします。以前からこのコラムで述べていますが、一度方向感が出たら大きく動くことが多いのではないかと思います。今回の衆議院選挙を見ても終わってみれば「民主党のマニュフェストの実現性が云々・・・」とか「日米関係に懸念が・・・」などと、選挙前まではあたかも民主党が政権を取ると世の中ばら色になるかのように言っていたマスコミもまたぞろ、悪い方ばかりを取り沙汰しているようです。

 昨日の米国市場でも何もそこまで悲観的に見る必要もないだろうに、悲観的な見方となっています。景気指標は予想以上に景気の回復を示しているのですから、企業収益の改善を期待する買いが入ってもいいのでしょうし、日本市場も以前の相場であればこうしたときは内需関連の材料株などを物色する動きになったはずなのですが、今はインターネット取引などを中心に簡単に空売りが出来るので、「何か買えるものはないか」と考える前に「とりあえず何でもいいから売っておこう」ということになるのでしょう。

 先物や信用取引の売りも、買い戻しが入るので特に売り要因ということではないのですが、売りやすいということで、目先的な需給をゆがめているということなのでしょう。ただ、大きな流れが変わっていなければいずれ株価も戻るのでしょうし、信用取引の売りも買戻しを急ぐ動きから上昇要因となる可能性もあるものと思います。こうしたときにこそ、何がどのように変わって、そして何が変わっていないのか、しっかりと大きな流れの変化を見極めたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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