台北−高雄が96分! 台湾新幹線に乗ってみた編集長ヨシオカの台湾レポート(2/3 ページ)

» 2009年09月02日 00時05分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]
新幹線のチケット。上が表面、下が裏面に見えるのだが、自動改札に通すときはオレンジ色の矢印を上に向けて通す

 今回はクレジットカードで、台北駅から左営(高雄)駅までの普通席乗車券を購入した。価格は1265台湾ドル(約3600円)。ビジネスクラス(日本でいうグリーン車)だと1950台湾ドル(約5600円)となる。

 切符は紙製で裏に磁気テープが張ってあるもの。矢印が書かれている面を上にして自動改札に通すのだが、どう見てもこちらが裏面に見えるので、逆に通そうとして自動改札で引っかかっている人が少なからずいた。


いよいよ乗車!

 地下1階の自動改札を通り、改札脇で駅弁が売られているのを眺めつつ、エスカレーターに乗ってさらに下階にあるプラットホームへ向かう。

 ホームにつくと、台湾新幹線700Tが待っている。日本の東海道・山陽新幹線700系をベースにした車両なので、日本の新幹線と非常によく似た雰囲気だ。車内の様子もよく似ているが、車両の前の部分に荷物置き場があったり、ドアや窓の近くに非常用ハンマー(緊急時に窓を叩き割るため)があったりするあたりが日本の新幹線と違って面白い。

新幹線は台北駅地下から発着する。在来線用ホームを一部転用して造ったため、隣は在来線だ

 台北を出発すると、新幹線はずっと地下を走行する。やがて到着するのは、板橋駅。MRT板南線も乗り入れている駅なのでここで乗ってくる人も多い。板橋を出て少しすると新幹線は地上に出て、少しの間在来線と並走する。

 在来線が見えなくなってから10分弱走ると、再び地下に潜って桃園駅に到着。ここは台湾桃園国際空港に近い駅だ。空港と新幹線の桃園駅を結ぶ約20分で結ぶバスを利用すれば、飛行機で台湾に到着してまっすぐ新幹線で南へ向かうこともできる。

車窓の風景。台風シーズンだったので天気が悪くて残念

 米粉(ビーフン)の名産地、また台湾のシリコンバレーとして知られる新竹駅を過ぎ、しばらく走っているうちに、女性乗務員がワゴンを押してやってきた。販売しているのは、サンドイッチ、スナック、コーヒーなど。日本とちがってアルコールは販売しないようだ。


最高速度は時速300キロメートル?

 台北を出て50〜60分すると、台中駅に到着する。台中駅の前後は、台湾新幹線のスピードが最も出るところ。座席前方、ドアの上にある電光掲示板にはときどき走行速度が表示される。「時速290キロくらいなのだな」と思いながら眺めていたら、一瞬時速300キロの表示が現れた。うっかりしていて写真を撮りそびれたのが残念だ。

 日本に帰って調べてみたら、700系新幹線の営業最高速度は時速285キロメートル、N700系は時速300キロメートルらしい(いずれも山陽新幹線区間)。N700系の山陽新幹線区間には乗ったことがないので、台湾新幹線で人生最速の列車に乗ったのかと思うと、ちょっとうれしくなった。

車内のようすは東海道・山陽新幹線とよく似ている(上)。普通車の座席ポケットに入っていたパンフレット(左下)。ワゴン販売を行う女性乗務員。ドアの上に速度表示が出る(右下)

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