米国株安などを受けて売り先行となったのですが、切り返し上値の重さを確認しては一気に売られ、そして今度は中国経済指標や株式市場の好転から堅調となるなど相変わらず先物を筆頭とした目先的な需給に振り回される格好となりました。「鯨幕相場」が依然として続いており、明日のことを考えて売買する人も少ないような感じです。
最近では米国株式市場よりも中国市場を気にしている向きが多いような感じです。実際に中国経済は世界経済への影響は大きく、中国マネーの動きも世界の経済を動かす要因となっています。ただ、中国の株式市場が中国の経済の動向を表しているものではなく、個人の投機的な動きを表しているに過ぎないのです。大きなトレンドとしての株式市場の動向は経済の動きを示していますが、今日高いから、などと細かい動きはほとんど実態とかけ離れていることが多いのではないかと思います。
米国市場が・・・、中国市場が・・・、などと回りばかりを見て目先的な売買に終始している人達はそれでいいのでしょうが、いわゆるデイトレーダーという人でないのであれば、リアルタイムの全ての情報はかえって、邪魔になることもあるのではないかと思います。逆にデイトレーダーであるならば、ちょっとしたニュースにもすぐに気がつき、どのように反応すればいいのか、そしてその反応の度合いも瞬時に判断して売買する必要があるのではないかと思います。
中途半端にすぐに売るつもりが売れなくなったから長期投資、などということが一番の間違いではないかと思います。デイトレーダーが悪いとか長期投資が良いということなどではなく、自分の投資スタイルを臨機応変に変えながらも、根本的なところでは変えない、そしてそのスタイルにあった情報の収集を心がけることが大切なのではないでしょうか。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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