経済指標も好材料とはならず、週末の利益確定売りに押されて上値が重い清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年08月31日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9544.20▼36.43

<NASDAQ>2028.77△1.04

<為替:NY終値>93.61-93.67

経済指標も好材料とはならず、週末の利益確定売りに押されて上値が重い

 朝方発表された個人消費支出(PCE)は3カ月連続増加したものの、個人所得が横ばい、消費者態度指数は速報値から上方修正したものの前月の水準を下回るなど、依然として個人消費にははっきりと好転を示すものではなく、堅調な地合いが続いた週末ということもあり、手仕舞い売りに押されるものが目立ちました。医療保険改革の先行き不透明感から医薬品株が売られたことも指数の足を引っ張る格好となりました。

 大きく下押す場面、ダウ平均の9500円を割り込む水準やナスダック指数が2000を意識する水準からは売り急ぐ動きもなく、底堅さが見られると買戻しや値ごろ感からの買いも入り指数も戻り歩調となるなど、先安感などはないようですが、過熱感も出ていることから、いったんは利益確定売りとなったようです。景気回復は確認されてはいるものの、個人消費などにまだ回復を確信するところまではいかず、最後まで買い切れないものと思います。

 個別には前日急伸したボーイングが軟調、医療保険改革の先行き懸念からメルクなど医薬品株が安くなりました。決算発表の中で1株利益見通しを引き上げたティファニーが大幅高、前日の引け後に発表した四半期決算が予想を上回ったマーベル・テクノロジー・グループも大幅高となりました。原油価格は堅調となったのですが、シェブロンやエクソンモービルも利益確定売りに押されて軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高などを受けて堅調となりましたが、週末と言うこともあり上値の重い展開となりました。外国人も売り越し基調と伝えられたことや衆議院選挙を控えた週末ということもあって、利益確定売りや手仕舞い売りも多く、指数の上値を押さえられ、上値の重さを嫌気して前日比マイナスとなる場面もあったのですが、さすがに押し目での買いもしっかりと入り10500円水準を保っての引けとなりました。

 週末の米国市場は堅調となり、注目された総選挙も事前の予想通り民主党が勝ったことから「変化」に対する期待から市場では好感され、堅調な展開が期待されます。経済情勢がすぐに変わるわけではなく、実際には政治の影響は少ないのですが、とりあえずは好感して「民主党関連銘柄」などが物色されるものと思います。ただ、証券税制の問題など、今後の政策に対する不安なども取りざたされるものと思われ、上値も限定されるものと思います。

 10500円水準では底堅さが見られる一方で、10500円を超えてくると利益確定売りや戻り売りが多く、上値を押さえられる展開となっていますが、月末のお化粧買いに対する期待もあり、10500円を固める動きとなって来るものと思います。朝方発表になる鉱工業生産指数が上ブレとなるようでないと、「民主党大勝」だけでは年初来高値更新とはいかないのかも知れませんが、お化粧買い期待に民主党関連銘柄の物色に経済指標の好転が重なれば、上値追いの可能性もありそうです。

本日の注目点

◇白川日銀総裁が記者会見

◇7月の鉱工業生産指数速報(経産省)

◇7月の商業販売統計速報(経産省)

◇7月の毎月勤労統計調査(厚労省)

◇7月の住宅着工(国交省)

◇7月の自動車国内生産・輸出実績(自工会)

◇7月期決算:内田洋行(8057)

◇5−7月期決算:ザッパラス(3770)

◇4−6月期のインドGDP

◇8月のユーロ圏インフレ率

◇英国市場が休場

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