放送作家が「テレビでアピールする方法」を書いたワケ郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)

» 2009年08月27日 07時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]
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タレントと放送作家のバトル

 放送作家の仕事の本質は、視聴者の共感を見抜くことである。『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』でのエピソードを1つ挙げよう。テーマは「きんさん・ぎんさんの生命線は長いのか?」。長寿で有名な2人、生命線が本当に長くて手首まであった。野呂さんはそれに気付き、ネタにして台本を書いた。すると本番では……。

 司会は高田純次さん。きんさんの手をとって、「わぁ! 美しい手ですね」と言うなり、社交界のようにその手にキスをした。そして、「生命線を見せてくれますか。おぉ、長いんだぁ!」となった。美しい手のセリフもキスも台本にはない。野呂さん、「やられた」と思った。司会者が何に共感するかを見抜くことも、また大切なのだ。

 テレビの司会者は台本の内容を取捨選択したり、順番や重みを変えたりする権限を持つ。司会者の趣味や好きなことを調べ、彼・彼女にマッチしたプレスリリース(台本)を書いて送れば、取り上げてくれる確率が高まる。それが視聴者の共感を呼ぶ内容であれば理想的だろう。

自分だけの日本一を考えよう!

 本書に書いてある18の技の中でも、「日本一を探せ」は最強である。「テレビは日本一に食いつくから、小さくてもウチにしかない日本一を持とう、それをアピールしなさい」というもの。

 私の事業に置き換えて探してみた。ところが、あれこれ考えても“日本一”と言い切る自信がない。そこで、「自分が感謝していることは何だろう?」と視点を変えると、すぐに見つかった。それは商品とは直接関係ないが、比べるものがないので日本一だと思った。

 すると不思議なことが起きた。その翌日から、良いことが次々と起きたのだ。もちろん偶然かもしれないが、これ、本当の話。モチベーションがアップして、「もう一度やろう!」という想いを周囲にまき散らしたからかもしれない。「たとえテレビに出れなくても、日本一をもっとアピールしてみたい」……私にもそう思わせてくれた、野呂さんのガイド本だった。

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