放送作家が「テレビでアピールする方法」を書いたワケ郷好文の“うふふ”マーケティング(1/3 ページ)

» 2009年08月27日 07時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の企画・開発・実行、海外駐在を経て、1999年より2008年9月までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略、業務プロセス改革など多数のプロジェクトに参画。 2008年10月1日より独立。コンサルタント、エッセイストの顔に加えて、クリエイター作品販売「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『ナレッジ・ダイナミクス』(工業調査会)、『21世紀の医療経営』(薬事日報社)、『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など。2009年5月より印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載。中小企業診断士。ブログ→「マーケティング・ブレイン


『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』

 「廃業しようと思っていましたが、本を読んでもう一度やってみようと勇気をもらいました」、ある旅館経営者からの手紙である。「S新聞に取り上げられました!」「雑誌に載りました!」「プレスリリースって勝手に送っていいんですね、目からウロコでした」、ほかにも飲食店や小売店などの小事業者から、感謝のメールが続々。

 これは業界仲間から「おい、こんなことまでバラしていいのかよ」と揶揄(やゆ)されたという、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』への反響の一部である。

 この本には「タダでテレビに取り上げてもらい、1億円の宣伝効果」を生む18の技として、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「ズームイン!!SUPER」などの放送作家であり、コンサルタントでもある野呂エイシロウさんの“売る体験”が詰まっている。

 「コンサルで『月に50万円ください』と言っても、小さいお店にはムリ。なら、書いちゃおうと思って」と笑う野呂さん。1260円のコンサル本、初刷り8000部はすぐに売り切れ、Amazonレビューも5つ星が並んでいる。

テレビと代理店の間のギャップ

 なぜ放送作家がコンサルタントになり、そして小事業者の福音書を書くようになったのか?

 「テレビ局と広告代理店のギャップを埋めたかったんです」

 約10年前、野呂さんはクルマ番組の制作でアドバイスをした、「新車を1年間、テレビ局に無料で貸し出しませんか」。テレビ局はタダでクルマが使えるし、広告代理店としても複数の番組でクルマが露出する機会が増える。少しの販促費で双方がハッピー。テレビは視聴率が欲しい、代理店は広告を売りたい。このギャップを埋める戦略的なPR手法がコンサルになると気付いた。

 テレビは日々ネタが欲しい、お店は取り上げてもらいたい。だがその橋渡しになるものがない。そこで、テレビ制作の立場や想いを理解して、自分のお店の姿をせつせつとリリースにつづってはどうか。それが本書の18の技の基本にある。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.