米国株高を受けて利益確定売りをこなして大幅高、年初来高値更新清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年08月26日 17時13分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10639.71円 △142.35円
売買高 19億8845万株
日経平均先物 10640円 △140円
売買代金 1兆3769億円
TOPIX 975.59 △10.48
値上がり銘柄 1348銘柄
東証マザーズ指数 459.78 △1.68
値下がり銘柄 246銘柄
日経ジャスダック平均 1246.92円 △2.20円
変わらず 92銘柄
騰落レシオ 114.63% △2.13%

日経平均

米国株高を受けて利益確定売りをこなして大幅高、年初来高値更新

 米国株高を受けて堅調な始まりとなりました。昨日の下落で利益確定売りをこなしたことや節目と見られる10500円水準で何とか下げ止まったことで反発となったものと思います。寄り付きの買いが一巡した後は利益確定売りが引き続き上値を押さえる場面もあったのですが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたこともあり、堅調な地合いが続きました。中国市場の動きを気にする向きもあり、一昨日の高値を抜けず上値の重い展開となりました。

 後場に入ると買い優勢の展開となり、指数は一段高となりました。中国市場が堅調と伝えられたことで、素直に米国での好材料に反応する動きとなったものと思います。先物の買戻しもあり、指数が牽引する形で一昨日の高値(10590円)を抜けると一気に14日の年初来高値更新となりました。好材料にも反応し切れなかったものが、節目=高値を抜けたことで買戻しを急ぐ動きもあり、最後は目先筋の手仕舞い売りもあったのですが指数は値持ちが良く、高値圏での引けとなりました。

 小型銘柄も午前中は軟調なものも多かったのですが、引き続きインフルエンザ関連銘柄や電池関連銘柄が買われ、堅調な展開となりました。それでも、主力銘柄が先物主導で買われるなか、蚊帳の外というわけでもないのでしょうが、東証マザーズ、二部株指数や日経ジャスダック平均は小幅高に止まりました。先物は午前中は戻り売りやヘッジ売りも多く上値を押さえる要因となっていましたが、後場に入ると節目を抜けたことで買戻しを急ぐ動きとなり、指数を押し上げる要因となりました。

 気にもしなくて良い中国市場などを気にして買い上がれなかったものが、気にしなくて良いことがわかれば一斉に買いが入り、節目を抜けて高値追いとなりました。目先的な過熱感も出るところなのですが、節目を抜けたことで、次の節目である11000円水準を目指すことになりそうです。いったん10500円水準での底堅さを確認する動きもあるのかもしれませんが、買い方の回転が効いており、押し目らしい押し目もなく上伸となる可能性もありそうです。いずれにしても遅かれ早かれ、選挙の直前か直後には11000円をつけることになるのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 高値を抜けてきたことで、今度は週足ベースで昨年9月末から10月始めにかけて空けた「窓」を埋めるような動きとなるものと思います。騰落レシオなどから見れば過熱感もあるのですが、RSIやストキャスティックスは下げ足りない感は強いものの上昇余地も大きく、移動平均線との乖離もまだ広がる余地もありそうです。11000円水準を一気に抜けるには未だエネルギー不足という感じですが、「窓埋め」まではすんなりと行きそうです。

TOPIX

NYダウ

 高値更新となって、「三山(三尊)天井」となってしまう可能性は少なくなりました。まだ予断は許せないのですがRSIやストキャスティックスは上昇余地もあり、ようやく抜けた節目が今度は下値の節目となり、底堅さが見られるとまだ上値を目指すということで、次の節目を目指すことになりそうです。

円相場

NYダウ

 依然として遅行線が日々線に日々線は今度は雲の中で雲の下限にサポートされて底堅さは見られるものの上値の重い展開が続いています。遅行線が絡む日々線がそろそろ急騰となって来るところであり、変化がありそうです。RSIは「依然として中途半端な位置にあるもののストキャスティックスは底値圏からの反発となっており、どちらかといえば上に、遅行線が日々線にサポートされる格好で上昇となりそうですが、逆に遅行線が日々線を割り込んだとしても動いた方に付く、というスタンスでいいのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

材料株物色は続く

三菱商(8058) 1923 ▼2

 前日までの急騰の反動や海外市場で原油や銅、ニッケルなどの商品市況が軟調となったことから、売りがかさみました。イラクでの天然ガスの生産・輸出事業に参画するとのニュースは特に材料視されませんでした。

ヤマトHD(9064) 1536 △9

 中国の物流会社に出資し、アジア市場に進出するとの新聞報道を受けて買い先行で始まり年初来高値を更新しましたが、その後利益確定売りに押されて軟調となりました。ニュース自体は好感されたのですが、実際の収益寄与は少し先になるとの見方で利益かくて売りが増えたものと思われます。

新日石(5001) 542 △4

 イラク南部のナシリヤ油田の開発権益の取得について、同国政府と基本合意した、と新聞で報じられましたが、特に材料視されず堅調ながらも上値の重い展開となりました。権益を取得すれば2年後には日本の国内消費の10%超にあたる量の生産が可能となり、日本企業が中心となって開発する油田として過去最大規模となる。

NECエレ(6723) 980 △100

 日立(6501)、三菱電(6503)、NEC(6701)の3社が来年4月に経営統合するルネサステクノロジとNECエレクトロニクスに対し、計2000億円規模の支援を実施すると報じられ、統合計画の実現、計画の進展を好感する買いが入りストップ高となりました。

ファンケル(4921) 1305 △126

 中国の販売代理店など2社の株式の4割を取得、ほとんど未開拓だった中国以外のアジア地域の販路開拓を任せ、アジア全域での化粧品販売を目指すと新聞で報じられ、業容拡大が好感されて買われ、大幅高となりました。

トヨタ(7203) 4110 △60

 今年度中にも世界で年100万台前後の生産能力縮小に踏み切ると新聞で報じられ、米国景況感の改善もあって好感されて買われ堅調となりました。短期的に稼働率が向上し収益改善に繋がるとの見方が多いようです。

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