FRB議長再任や経済指標の好転を好感して堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年08月26日 08時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9539.29△30.01

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<為替:NY終値>94.21-94.27

FRB議長再任や経済指標の好転を好感して堅調

 朝方発表になった住宅価格指数が好転したことやバーナンキFRB(連邦準備理事会)議長が再任されたことを好感して買い先行となりました。個別企業の業績も好転が見込まれるなど景気回復を確実なものとする動きに加え、金融政策への不安も薄れ買いが優勢となりました。午前中に発表された消費者信頼感指数も予想を大きく上回って好転、買い急がせるような場面もありました。ただ、原油価格が利益確定売りに押されて軟調となると石油関連銘柄などに利益確定売りが出て上げ幅縮小となりました。

 株価の戻りが先行して示しているように、景気回復や信用不安の緩和を徐々に織り込む雰囲気になっています。この日もFRB議長の再任が決まったことで、「また一つ懸念材料が消えた」ということで買い安心感も出たようです。今後も相場の過熱感を冷ますような場面で「出口論」や「雇用不安」あるいは個人消費の回復の鈍さなどが取りざたされるのでしょうが、それこそ、一つずつ解決に向かっているようです。ダウ平均もナスダック指数も過熱感を冷ますために右往左往する場面もあるのでしょうが、節目での底堅さを確認しながら、堅調な展開が続きそうです。

 個別には原油価格が上げ一服となったことで、エクソンモービルやシェブロンといった石油関連銘柄が軟調、前日の下落の反動もあってJPモルガンチェースやバンクオブアメリカなど金融株が堅調となりました。住宅指標の好転を受けて、DRホートン、バルト・ホームズなど住宅関連銘柄が高く、投資判断の引き上げのあったロウズも堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は円高や先日の大幅高の反動から売り先行となり、アジア市場の下落を理由に先物を売り叩く動きから軟調となりました。それでも節目と見られる10500円水準ではしっかりと押し目買いも入り、底堅さも見られました。買い意欲は比較的強く、インフルエンザ関連銘柄や電池関連銘柄が物色されました。

 米国市場が堅調となったことや為替も比較的落ち着いていることで、日本市場も堅調な展開が期待されます。昨日は利益確定売りや円高を嫌気する売りに押されましたが、逆に今日は出遅れ感が強い銘柄や個別の材料に反応して堅調となるものと思います。原油価格が上げ一服となったことで、資源株などは利益確定売りに上値を押さえられてしまいそうですが、ハイテク銘柄などの反発や、インフルエンザ関連銘柄やで地関連銘柄などの値動きのいい銘柄には買いも入りそうで、指数の反発も期待されます。

 日経平均は昨日もなんとか10500円水準を保ち、今後もこの水準を固める動きとなるものと思います。14日の高値を抜けるかどうかが注目されますが、抜けてくれば昨年の暴落の始めに10500円から11000円のところで空けた「窓」を埋めるように11000円を目指すことになりそうです。10000円水準が下値とされたところから、今度は10500円水準が下値というように、水準訂正となるものと思われ、目先的な過熱感から上値が重くなっても10500円水準の値固めとなるのでしょう。

本日の注目点

◇7月の貿易統計(財務省)

◇7月の企業向けサービス価格指数(日銀)

◇7月の米耐久財受注

◇7月の米一戸建て住宅販売

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