クライアントを怒らせる方法、教えます(2/2 ページ)

» 2009年08月26日 07時00分 公開
[家弓正彦,INSIGHT NOW!]
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カタカナ言葉を並べてごまかす

悪魔のアドバイス

 コンサルタントは、難解な経営専門用語を駆使して、自分が知識豊富で、有能な人間であることをアピールしなければなりません。特に、カタカナ用語を多用すると相手には自分の言っていることが理解できず、「いやぁ、マイッタ!」と思わせる効果をも期待できるのです。

 カタカナ用語を使うときは、大げさな身振り手振り、そしてほほ笑みを浮かべて、ちょっとネイティブな発音を用いると効果絶大です。

家弓のアドバイス

 経営やマーケティング用語には、英語のまま用いられているものがたくさんあります。これは、私も気をつけなければいけないのですが、普段のクセが抜けずに、つい英語表記のまま喋ってしまうことが多いですね。

 問題の本質は、カタカナを用いることではなく、相手に理解できない表現です。ただ、逆にあまりに簡単すぎる表現は、クライアントに「なめられている」と不快感をあたえてしまうかもしれません。難しいものですね。

 あくまでコミュニケーションの基本は「相互理解」にあります。相手の知識や背景をもとに、反応を見ながら、相手の理解に合わせた説明、表現を適切に使いたいものですね。

できない理由を長々と説明する

悪魔のアドバイス

 誠意ある対応として、できないことはクライアントにはっきり断りましょう。その時、クライアントには「なぜできないか?」という理由を、しっかり納得してもらうことが必要です。

 そのための根拠をできるだけたくさん挙げることができれば、クライアントはあきらめて、要望を取り下げてくれるはずです。しかも、そのできない理由がクライアントサイドの問題であると論破できれば、貴方は一流のコンサルタントです。

家弓のアドバイス

 もちろんできないことは「できない」と真摯(しんし)にお断りをすることは必要です。しかし、「なぜできないか?」という理由を長々と語ることは、何も建設的な結果を残さず、クライアントはストレスを感じてしまうでしょう。

 決してクライアントが実現したいことをあきらめさせることが目的ではなく、「これはできませんが、こんなやり方ではどうでしょうか?」と、少しでもクライアントの欲求に近づけるための代替案を示したいところです。

 常にクライアントは提案を求めています。私たちはプロとして、クライアントに代替案を提案し、クライアントとともに最も望ましいソリューションを探索したいものです(参照記事「ソリューション営業って何だ?」)。

全てのビジネスパーソンがおちいるリスク

 あくまで、上記は家弓が「過去、クライアントを怒らせてしまった」ことをもとに記述しているわけではありませんよ。念のため……。もちろん、反省すべきことはたくさん経験していますが、現在、私が気をつけていることを整理したつもりです。

 これらの5つのパターンは、クライアントとのコミュニケーションにおいて、全てのビジネスパーソンがおちいるリスクだと思います。一度、クライアントコミュニケーションについて、自らを振り返るのも良いのではないでしょうか? (家弓正彦)

 →家弓正彦氏のバックナンバー

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