住宅市況の好転、原油価格の上昇に加え、FRB議長の楽観的なコメントを受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年08月24日 08時48分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9505.96△155.91

<NASDAQ>2020.90△31.68

<為替:NY終値>94.39-94.45

住宅市況の好転、原油価格の上昇に加え、FRB議長の楽観的なコメントを受けて大幅高

 欧州の景気指標が好転したことや原油価格が上昇となったこと、また、前日の引け後に小売株が予想を上回る決算を発表したことなどから、買い先行となりました。日本市場で懸念された自動車買い替え支援策の打ち切りや目先的な過熱感はほとんど問題視されず、景気回復を織り込むような格好となり、バーナンキFRB(連邦準備理事会)議長の景気回復に対して楽観的なコメントが伝えられ、買い戻しを急ぐ動きなどもあり、大幅高となりました。

 商品市況の好転や経済指標も景気回復を示すものが多く、好材料には敏感に反応する展開となっています。企業業績も好調なことから、景気回復を織り込む相場となりつつあるようです。所謂「金融相場」から「業績相場」への移行が期待される格好となり、政府の景気支援策や金融緩和の出口論議も気にならないかのようです。まだまだ、雇用や個人消費に対する懸念が残ることから一気に戻りを試すということでもないのでしょうが、順調に景気回復を織り込んでいるものと考えられます。

 個別には前日の引け後に発表された5−7月期決算が予想を上回ったギャップは堅調、住宅指標の改善から景気回復期待が強まり、キャタピラーなど景気敏感株が軒並み堅調となりました。原油価格が堅調となったことで、エクソンモービルやシェブロンも高く、信用不安も薄れたことで、JPモルガンチェースなど金融株も高くなりました。ダウ平均採用銘柄ではウォルマートが利益確定売りなどに押されて唯一軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 週末の日本市場は前日の米国市場が堅調となったのですが、週末の手仕舞い売りや見切売りに加え、信用収縮懸念からの持高調整の売りに押されて大幅下落となりました。米国での自動車買い替え奨励策を24日で打ち切るとのニュースや中国での金融機関の自己資本基準引き上げのニュースを受けて、疑心暗鬼な相場のなかで過剰に反応したものと思われます。

 週明けの日本市場は週末の米国株が大幅高となったことから、買戻しも交え、堅調となりそうです。先週末は過剰反応というか持高調整の売りも出ていたようで大きな下落となりましたが、売り急いだ反動から今度は買い急ぐ場面も見られそうです。まだまだ個人消費や雇用に対する懸念は根強いのでしょうが、景気回復を再び織り込むことになりそうです。原油価格など商品市況の回復を受けて商社株や非鉄株が物色され、売られ過ぎの反動もあってハイテク株や自動車株なども大きな反発が期待されます。

 再び日経平均は下値の目処、節目と見られている先月末の「窓」を埋めるような格好となりました。下値が固まったことで、今度は戻りを試すことになりそうですが、まだまだ目先的な過熱感も強いことから、戻りを試しては押し目を確認するような動きとなるものと思います。節目と見られる10500円を抜けるかどうかが注目されますが、今度こそ節目を抜けて、10500円での下値を固めるような展開になるものと期待されます。

本日の注目点

◇7月の全国スーパー売上高(日本チェーンストア協会)

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