円高や自動車買い替え制度終了を嫌気し大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年08月21日 16時03分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10238.20円 ▼145.21円
売買高 22億0227万株
日経平均先物 10280円 ▼80円
売買代金 1兆4893億円
TOPIX 947.34 ▼11.25
値上がり銘柄 352銘柄
東証マザーズ指数 449.17 ▼1.56
値下がり銘柄 1200銘柄
日経ジャスダック平均 1233.87円 ▼0.95円
変わらず 136銘柄
騰落レシオ 119.09% ▼7.83%

日経平均

円高や自動車買い替え制度終了を嫌気した売りや持高調整の売りに押されて大幅下落

 米国株が堅調、為替も円高ながらも落ち着いており、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も大幅買い越しと伝えられたのですが、米国の自動車買い替え制度の終了が伝えられたことなどもあり、売り先行となりました。寄り付きの売りが一巡した後もとこ堅い展開となりましたが、週末ということや昨日の大幅上昇の反動もあり、先物にまとまった売りが出てじり安となりました。底堅さが見られる場面もあったのですが、その都度先物のまとっまった売りに崩されるという格好で大幅下落となりました。

 上海市場が堅調となり為替も円高ながらも落ち着いたのですが、後場も売り先行となり節目と見られた10200円台半ばを割り込んで始まりました。寄り付きの売りが一巡した後も戻りが鈍く、戻りの鈍さを嫌気して売り直され、一気に次の節目と見られる10100円台後半まで下落、その後も何度も戻りかけては先物のまとまった売りに押される格好となりました。引けを意識する時間帯には買い戻しも見られましたが、引き続き持高調整と見られる売りもあって昨日の上げ幅を一気に戻すような大幅下落となりました。

 小型銘柄も軟調なものが目立ちましたが、先物の売りがない分、主力銘柄ほどの下落とはならず、週末の手仕舞い売りに押され感じで、東証マザーズ指数、二部株指数、日経ジャスダック平均は揃って軟調となりました。先物は散発的にまとまった買戻しは見られるものの、まとまった売りが断続的にあって、指数を大きく下押す要因となりました。

 昨日の大幅高の反動となりました。理由はいろいろといわれていますが、持高調整の売りに押されたということかもしれません。穿った見方をすると、昨日は「20日」ということで、決算か何かで株価が高い方がよく、そのため断続的に先物中心に買いが入っており、昨日の持ち高を処分、調整するための売買で大きな下落要因となったのかもしれません。そうした見方が出来るほど昨日の上げも本日の下げも唐突な気がするのです。中国が云々ということが関係のないことは今日の相場で分かったのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 転換線に上値を押さえられて再び下値の節目を確認するような調整となりました。ストキャスティックスは底値圏にあるのですが、RSIはまだ下落を続け、下落余地もあり、もう少し、下値を試すような動きが続くのかもしれませんが、底堅さも見られ、基準線も上昇を続けているところなので、強含みの展開となるものと思います。

TOPIX

NYダウ

 再び6月高値水準=8月の押し目水準=940〜50水準、の節目を確かめる展開となりました。ストキャスティックスは底値圏にあるのですが、RSIは下落余地もあり、移動平均線や基準線からの乖離も大きく、上値の重い展開は続くものと思いますが、節目でのサポートが確認されていることや基準線が上昇を続けていることもあり、強含みの推移となるでしょう。

円相場

NYダウ

 引き続き遅行線が日々線にサポートされていますが、日々線は雲に上値を押さえられて下値を探る展開となっています。RSIはまだ下落余地があるのですが、ストキャスティックスは底値圏にあり、上値は雲におされられて重いながらも、底堅い展開が続くものと思います。

銘柄ピックアップ

自動車株を筆頭にほぼ全面安

富士通(6702) 625 △6

 前場の取引時間中に2010年3月期の連結純利益見通しの上方修正を発表、市場全体が売り物がちとなるなかで素直な反応として買われ、一時大幅高となりましたが地合いの悪さや手仕舞い売りに押され堅調となりました。

トヨタ(7203) 3980 ▼120

 米国での新車買い替え制度が24日で終了すると報じられたことや週末の手仕舞い売り、円高が進んだことを嫌気する売りに押されて大幅下落となりました。

神戸鋼(5406) 181 △4

 原子力発電所に使う大型鍛鋼品に参入すると新聞で報じられたことから、収益拡大が期待されるとして買われ、一時大幅高、引けも堅調となりました。

ヤマトHD(9064) 1504 △37

 総選挙で民主党が優勢と報じられたことから、民主党の公約でメリットのある銘柄を物色。高速道路の無料化やガソリンの暫定税率廃止で大きなメリットのある銘柄として買われ、年初来高値を更新、堅調となりました。

NEC(6701) 320 ▼3

 KDDI(9433)が2012年12月に商用化を予定している次世代移動通信規格「LTE]の無線基地局の開発、製造会社に選定されたと発表されましたが、総じて地合いの悪い中で材料視されず、好感した買いは入らず、軟調となりました。

川崎船(9107) 378 ▼7

 海運株指数(バルチック海運指数)が3日続落となったことで、収益悪化を嫌気する売りに押されて軟調となりました。

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