コラム
» 2009年08月21日 07時30分 UPDATE

ローソンのさぬきうどんが狙う“ウォレットシェア” (1/3)

ローソンがコンビニで初めて“できたてうどん”の販売を開始した。その背景にあるものは一体何だろうか? その深謀遠慮を推測し、モノが売れない時代に業績を向上させるマーケティング戦略を考えていこう。

[安部徹也,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:安部徹也(あべ・てつや)

株式会社 MBA Solution 代表取締役

九州大学卒業後、三井住友銀行に入行。銀行にて一部上場企業などの金融を担当。退職後、ビジネススクール ThunderbirdにてMBA取得。卒業後、MBA Solutionを設立し代表に就任。現在は2万人以上のメンバーが参加する「ビジネスパーソン最強化プロジェクト」を主宰する傍ら、テレビやラジオ、新聞などへの出演や大手インターネットサイトでの記事連載、ビジネス書の執筆など多方面で活躍する。


 マーケティングにおいて同業者だけを自社のライバルとして事業を展開している企業は多いと思うが、実はライバルは同業者ばかりではない。顧客は消費を行う際に、決して業界というくくりで行うわけではないからだ。

 自分のケースを振り返れば明確になるが、消費を行う場合、「自分のニーズを満たしてくれるものは何か?」という観点から行っているのではないだろうか。

 例えば、お腹が空いて「何か食べたい」というニーズが起これば、誰しも食べ物を提供してくれるお店を探すことだろう。それは、ファミリーレストランかもしれないし、ハンバーガーショップかもしれないし、弁当屋かもしれないし、コンビニかもしれない。つまり消費者にとってはファミリーレストラン業界であろうが、ハンバーガー業界であろうが、コンビニ業界であろうが、そのような業界のくくりは全く意味を成さないということだ。

 ただ、多くの企業は同じ業界のライバル企業に打ち勝ってマーケットシェアを拡大しようと血眼になっている。実際のところマーケットシェアという概念はあまり意味のないものになってきているにも関わらず、である。

ah_sutakohi.jpg スターバックス コーヒー ジャパン公式Webサイト

 それでは、企業はマーケットシェアではなく、何を指標にビジネスを展開すべきなのだろうか? そのヒントはスターバックスが教えてくれる。

 スターバックスはマーケットシェアよりも顧客の“ウォレットシェア”に注目している。ウォレットシェアとは顧客1人1人が一定の期間に使用したお金のうち、自社製品がどのくらいを占めているかを表す指標である。例えば、ある消費者が1年間に100万円を使ったとして、そのうち自社製品が30万円を占めていればウォレットシェアは30%になるというわけだ。

 企業がマーケットシェアではなく、このウォレットシェアの観点からビジネスをとらえた時、ビジネスに飛躍的な変化が起こる可能性が高くなる。続いて、このウォレットシェアの観点からのビジネスを検証していくことにしよう。

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