米国株高や売り飽き気分もあって大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年08月20日 16時23分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が堅調となったことや売り飽き気分も強く堅調となりました。外国人が売り越しと伝えられたこともあり、前場は上値の重い展開となりましたが後場に入ってから急伸、大幅高となりました。金融緩和の「出口論」で世界的に調整感が強まっていたのですが、まだ出口の議論は早いという日銀審議委員のコメントが伝わったことなどもあり、買戻しを急ぐ動きとなったものと思います。

 中国やインドの世界経済への影響は大きなものだと思いますが、株式市場の動き、特に中国の上海総合指数の動きをそれほど気にする必要があるのかどうかははなはだ疑問です。よく「アジア市場が高いから・・・」などという日本株上昇の理由を挙げる向きも多いのですが、ここのところは気にしているのでしょうが、本来それほど気にするものでもないのではないかと思います。

 大きなトレンドとしては中国もインドも同じような動きとなっており、まだ中国のGDP(国内総生産)も日本に匹敵するほどになっており、影響は大きいというのでしょうが、中国は基本的に政治体制が違い、乱暴な言い方をすれば、経済政策も無理やりにでもどうにでも出来るものなので、日本やアメリカと同等には考え難いと思います。また、上海市場も時価総額はそれこそ世界と伍するところまで伸びましたが、「投資」と言う概念よりも「投機」の概念が強く、必ずしも経済の実態を示しているということでもないのでしょう。

 上海市場の動きは「鉄火場」的な動きであり、日本の新興市場の動きを示す指数のような感じと考えればいいのではないかと思います。ですから、上海市場を見るのもいいのですが、上海市場が中国の経済、景気の良し悪しを示すというよりは「投機的な資金の動きを示す」ものと割り切って見た方が良いと思います。もちろん大きな流れの変化として中国や米国の経済動向を見る必要はありますが、表面的、目先的な米国や中国の指数に振り回されることはないと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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