遠藤一平監督が語る、自主映画『DT』の“裏物語”郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

» 2009年08月20日 07時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

自主制作へのこだわり

 『DT』はシリアスでファニーで過激な現代戦記。舞台は20XX年の治安が極度に悪化した東京、裏の世界で警察が秘密組織“自警団”を作り、法で裁けない闇を裁く。その組織に雇われる高山猛久さん扮(ふん)する言霊師と、石井めぐるさん扮する女子高生が軸となり、犯罪事件に巻き込まれていく……。

石井めぐるさん扮する女子高生、西脇紗韻 

 日本人離れしたルックスの高山猛久さんは、ハリウッド修行もした俳優。女優宣言したアイドル石井めぐるさん、そして中康次さんや街田しおんさんら芸達者もそろえた。

 撮影シーンの数、ロケ数やセットロケまで想定すると、本来必要な制作費は3億円。それをケタ違いの低コストにするための苦労は絶えなかった。例えば、ランボルギーニやフェラーリを5台(もちろん撮影用のレンタル車)使った都内ロケ。五反田から外堀通り、有楽町へと走り抜けたカーチェイスや銃弾戦は、すべて“無許可ロケ”である。道路封鎖をして撮影するには警察に道路使用書を届ける必要があるし、人通りも制限した大がかりなセットロケになるため、カネがかかり過ぎる。

 「警察が俺たちを見てないはずはないんですよ。面倒だから見逃してくれたんでしょう」と遠藤監督は笑う。

カーチェイスに使ったランボルギーニ・ムルシエラゴ

 遠藤監督はこれまで『幻』『姦C』など映画4本の監督やテレビ作品を手がけてきたが、DTは自主映画、いわゆるインディーズ映画。だが、ボランティアのCGスタッフで最終仕上げにかかる前のトレーラームービーを見ると、とても自主制作には見えない出来映えだ。今年中に海外映画祭への出品、国内単館上映を目指している。

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