米国株堅調も織り込み済みで底堅さは見られるものの方向感なく小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年08月19日 17時29分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株は反発となりましたが、日本市場は昨日既に底堅さが見られたことから小動きとなりました。景気回復期待が強く、下値を売り切れないのですが、回復が確信されることもなく、買い上がるにもう少し材料が欲しいということなのでしょう。個別の材料にはしっかりと反応しており、基調は強含みと思われます。株価の上昇に景気の回復が追いついてくれば、再び上昇となるものと思います。

 目先的な過熱感は強く、指数自体は上値の重い展開となりました。ただ、インフルエンザ関連銘柄を中心に個別に物色される展開となっています。この時期にインフルエンザ関連と言うのもおかしな話ですが、異常気象から野菜の高騰などもあり、ひょんなところで物色される銘柄が出てきます。「株は連想ゲーム」というようなことも言われますが、単純な連想ゲームや「風邪が吹けば桶屋が儲かる」ということで買われるような銘柄はなかなか長続きはしないと思います。

 こうした目先的な材料の飛びつくもの一つの方法であり、割り切って売り買いできるのであればそれはそれで、とても有用なのですが、これだけ目先的な動きに飛びつく人が多くなるといつもいつもうまく行くとは限らないのではないかと思います。また、「連想」するのはいいのですが、誰も付いてこれないような連想となり、人より半歩先行くつもりが5歩も10歩も先に行ってしまい、皆が気が付いたときには上がらないものだから売ってしまった、と言うことではないかと思います。

 また、飛び乗ってみたは良いが高値を買って、売るに売れずに我慢しきれずに売ったところが底になって、もう一度蒸し返すように買われるなどということも良くあることです。そのニュースの内容が連想ゲームと言うよりはその本命企業のメリットが大きいということの方が多く、奇をてらわない方が良いこともあります。闇雲に飛び乗ったり、変な連想をするよりは、長続きするニュース、今後発展しそうなニュースをしっかりと見際め、その本命銘柄の初動にしっかりと乗ってみる、と言う方がいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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