「言っていることが分かりにくい」と言われたら(1/2 ページ)

» 2009年08月19日 07時00分 公開
[横井真人,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:横井真人(よこい・まひと)

EIリサーチ取締役EIパートナー。カリフォルニア大学バークレー校政治学部・経済学部卒業。リクルートで新規事業開発に従事、米国現地法人立ち上げ、営業研修事業の立ち上げを経験。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)では、製造業・通信業を中心に事業戦略策定ならびに組織設計・変革などのプロジェクトに参画。事業会社の事業開発担当執行役員、営業担当取締役などを経て現在に至る。


 「あの人は言っていることが分かりやすいよね」と言われる人の共通項は何でしょう? 何が「分かりやすい」と「分かりにくい」の差を生むのでしょう?

 恐らくポイントは3つだと思われます。1つ目は「言いたいことを明確にすること」。2つ目は「言いたいことの根拠を論理的に言えること」。3つ目は「言いたいことが当てはまる、相手にとって分かりやすい言い換えや例え話ができること」。

出典:和幸グループ

 そもそも言いたいことが明快であることは最低条件です。「うまいとんかつ屋があるんだけど、お昼にどう?」と誘った時に、「僕はメタボ気味だから油物は食べたくない」という答えなら、行きたくない意思となぜ行きたくないかがハッキリしているので、聞いている方も「じゃ、そばなんてどうですか」と合わせやすいですね。もちろん、「せっかく誘ってもらったけど」という前置きはあった方がいいとは思いますが。

 「ちょっと油ものは重たいけど、いいですよ」と言われると本人は気を使っているつもりでしょうが、行きたいのかどうかハッキリしないですよね。こっちが気を使います。

 論旨が明確でない場合の例として「この案は面白いが、本当にこんなにもうかるのかな」なんて発言をよく聞きますが、この発言は断りなのか、感想なのか、案を練り直した方がいいのか、練り直すならどこをどうすればいいのか、いまいち分かりません。不安なら不安だとか、どこに不安を感じるかとか、何をすればいいのかをはっきり言ってほしいですよね。

 論旨を明快にするとすれば、「アイデアは面白いが費用対効果の数字の根拠が甘い気がする。費用対効果が甘いと事業化しても赤字になってしまう。きちんとした判断をするためには前提の要素を細分化し、楽観・普通・悲観の3パターンで費用対効果を再度弾きなおしてほしい。費用対効果が2倍以上になる場合の条件を知りたい。その条件を現実的に満たす方策が立てられたらゴーの判断をする」まで、言ってくれたら分かりやすいですね。

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