米国株安を受けて売り先行で始まるも「窓を埋めて」底堅い堅調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年08月18日 16時39分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国株は大幅安となり、外国人も売り越し基調と伝えら得ましたが、前日の大幅下落の反動もあり、一時堅調となるなど底堅い展開となりました。米国でもディフェンシブ銘柄に堅調なものが見られたことから、医薬品株や食品株、電鉄株や電力、通信株といったディフェンシブ銘柄に底堅い堅調なものが見られ、ハイテク銘柄なども円高が進まず逆に円安方向に振れたことから、底堅さも見られ、指数も底堅くなりました。

 目先的な値動きばかりを気にする市場参加者ばかりで、参加者の種類がいっこうに広がりません。また、上海市場がどうした、米国株がどうの、といつものことながら回りの状況ばかりを気にして、本来の森であり木であり、素直に見ようとしない向きも多いのではないかと思います。目先的に値動きが良いものに材料を探しては飛びつく、というのもいいのかもしれませんが、そのように「他人任せ」の付和雷同的な売り買いばかりでは見えるものも見えなくなってしまうのではないかと思います。

 また、証券会社のアナリストなどの「投資判断」や「目標株価」にも反応しすぎるのではないかと思います。確かに、投資判断の引き上げのあった銘柄には買いが集まるから、自分も負けずに買えば後から入って来る買いに向かって売れば儲かるという買い方も致し方ないのかもしれませんが、「買い」と言って買う人が多くなると高いところを買うことになるのではないかと思います。落ち着いてから環境が変わらなければそこで買いに出る方が正解ということになるのでしょう。

 目先的な動きに乗るのもいいのですが、「買い」と言って買う人ばかりで、皆が買ってしまえば後は誰も買わなくなり、痺れを切らした損失確定の売りが出ればそのときが買い場ということになるのではないかと思います。人より早く買えればいいのですが、おそらく、自分が買いに行くところではもう皆が買ってしまっていて、自分が買うことで先に買った人が利益を出して売ることが出来るということなのでしょう。そうであれば、後から買った自分はそれ以上に遅れて買う人がいないと儲からないことになり、どうしても先に買った人に負けてしまうのです。人より出遅れたと思った時には目先的な動きに無理してついて行くこともなく、人より半歩先に買える時に買うようにしたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.