景気回復は期待されるものの個人消費への懸念が根強く軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年08月17日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9321.40▼76.79

<NASDAQ>1985.52▼23.83

<為替:NY終値>94.91-94.97

景気回復は期待されるものの個人消費への懸念が根強く軟調

 朝方発表された鉱工業生産指数は9カ月ぶりにプラスに転じたのですが、予想を下回ったことや前日に高値更新となった反動から売り先行となりました。午前中に発表になった8月の消費者態度指数(速報値、ミシガン大学調べ)が予想に反して前月から低下したことから一時大幅下落となりました。前日も小売売上高が予想に反して前月比マイナスとなるなど、景気回復となってはいるものの個人消費に明るさが見られないことを嫌気する動きとなりました。それでも一方で企業業績や製造業指数などには改善が見られることから底堅い展開となりました。

 景気回復を示す経済指標や企業業績の発表が見られる一方で個人消費関連に底入れ感が出ないことから早めに利益確定売りが出るといった状況のようです。信用不安が薄れ、雇用も明るさが見られ、自動車産業などにも光明が見えるなかで個人消費の回復がはっきりと見られず、まだまだバブル崩壊の影響ではないのですが、強気に消費をするような雰囲気にならないということなのでしょう。さらなる景気の悪化に対する懸念はかなり薄れており、景気回復そのものは確認しつつあると言うことで、大きな下落はないものと思われます。個人消費の回復の兆しが見られると先行きへの懸念が完全に払拭されることになるのでしょう。

 個別には原油価格が下落、他の商品市況も週末の手仕舞い売りに押されて軟調となったことからアルコアやデュポンなどの素材株が軟調、イタリアの会社が請け負う最新鋭中型機の胴体部分の製造工程が作業停止になっているということからボーイングが大幅下落となりました。5−7月期決算が最終赤字となったJCペニーが安く、メーシーズやノードストロームなども連れ安となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場はオプションSQ(特別清算指数)算出に絡む買いもあって堅調な始まりとなり週末の持高調整のなかでも買い気が強く堅調となりました。外国人も引き続き買い越しと伝えられたこともあり、週末の手仕舞い売りをしっかりとこなす展開となりました。自動車生産の回復など景気回復の兆しも見られることで売り急ぐ向きも少なく、底堅さが確認されると買戻しを急ぐことになるようです。

 週末の米国市場が軟調、商品市況も軟調となったことから、ここのところ堅調となっていた市況関連銘柄などが利益確定売りに押され、為替も円高に振れたことで、ハイテク銘柄や自動車株などを中心に売り急ぐ場面も見られるかもしれません。それでも景気回復の兆しも見えていることから、むきになって下値を売り叩くというよりは底堅い展開となって来るのではないかと思います。内需関連銘柄やディフェンシブ銘柄などに出遅れ感が強いものが見られ、そうした銘柄に物色対象が広がるかどうかが注目されます。

 日経平均の10500円を引き続きキープすることが出来るかどうかというところでしょう。大きく下落して10400円を割り込むようなことにならなければ、上昇基調は変わらないものと思われますが、目先的な過熱感もありいったん10500円の節目を確認するように押し目を探る展開となりそうです。過熱感が冷めるところで、底堅さが見られれば、商品市況の回復など景気回復の兆しが見られることから、昨年10月の暴落前の水準である11000円水準までは戻るものと思われます。

本日の注目点

◇4−6月期GDP速報(内閣府):予想平均では、前期比年率3.4%増

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