コラム
» 2009年08月14日 07時00分 UPDATE

「空、雨、傘」のフレームワーク (1/2)

コンサルティングファームで使われるフレームワークで最もポピュラーなものが、「空、雨、傘」と言われるもの。その3つの言葉が意味するものとは何なのだろうか?

[伊藤達夫,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:伊藤達夫(いとう・たつお)

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役、東京大学文学部卒、認定エグゼクティブ・コーチ(JIPCC)。コンサルティング会社にて食品、飲料、化学品メーカーなどのマーケティング寄りのプロジェクト、官公庁などのプロジェクトに携わる。その後、JASDAQ上場の事業会社に移り、グループ戦略、事業戦略、業務改革などに携わる。結果的に最年少でのマーケティング部門、部門長となる。ブログ「ゆるーいコンサルタントな日々


 コンサルティングファームで使われるフレームワークで最もポピュラーなものが、「空、雨、傘」と言われるフレームワーク。ただ、残念ながら一般的にはなぜか普及しません。知っている人もいますが、本質的な理解に基づいて使えている人は、あまり見たことがありません。

 一度、立ち止まって考えてみれば、理解が深まり、使える方向に向かうと私は思うので、この機会に立ち止まって考えてみましょう。

「空、雨、傘」のフレームワーク

 「空、雨、傘」とは文字通り、「空を見て、雨が降りそうだから、傘を持っていこう」の略です。これは企業の意思決定を支援するフレームワークとして非常に強力です。

 この「空を見て、雨が降りそうだから、傘を持っていこう」は、「出かけたい」という方向性を持った人のお話です。出かけたい人が、空を見る。空を見ると、どうも雲がある。風は北西の風。湿った空気が流れ込んできている。

 空を見れば、多くのファクトが得られます。天気を決定する大きな要因は、大気の状態です。温度、湿度、雲の発生。上空の気圧や、周囲の気圧状況までは見ただけでは中々分かりませんが……。

 でも、出かけたい人は思うんです。「うーん。これは雨が降りそうだ」と。

ah_kisyou.jpg 出典:気象庁

 ここは、よく考えるとすごいことを言っています。空を見ただけで「雨が降りそうだ!」と言ってしまう。判断してしまう。この人は天気予報職人でしょうか?

 私が小学校の時の先生は、夜に犬を連れてランニングすることが日課で、独自の天気予報を次の日の朝に発表していました。結構、当たっていましたね。人間の感覚というのは、訓練を繰り返すことで、すごくなっていきます。指先の感覚で、金型の微妙な傾斜を作っていくおじさんたちが、川崎や大田区のあたりにはたくさんいますね。で、ずーっと天気を予測し続けている人というのは、天気を当てたりします。外すことも当然ありますが。

 「雨が降りそうだ」はあくまで予測で、当たるかもしれないし、当たらないかもしれない。でも、出かけたい人はそう思った。だから、「傘を持っていこう!」ということを決める。

 ここで「なぜ、傘なのか?」というのは大事なことです。傘しか持っていない人なのでしょうか? 雨がっぱはスタイルに合わないから着ないのかもしれません。雨が降るとしても、持っていくものにいくつかの選択肢がある中で、傘を持っていくのです。そういうことを決めているのです。

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