金利上昇懸念が薄れたことや好決算、楽観的な見通しを好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年08月13日 08時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9361.61△120.16

<NASDAQ>1998.72△28.99

<為替:NY終値>96.05-96.11

金利上昇懸念が薄れたことや好決算、楽観的な見通しを好感して大幅高

 朝方発表された住宅大手の売上高見通しが予想を上回ったことや前日の引け後に発表された半導体製造装置大手の決算が予想を上回ったことに加え、前日の大幅下落の反動もあって堅調な始まりとなりました。住宅販売の回復が期待されることから、「プライムローン」の焦げ付き懸念も薄れ、金融株や住宅株に買い戻しが入り大幅高となりました。FOMC(公開市場委員会)でも実質ゼロ金利政策の継続が決まり、FRB(連邦準備理事会)のコメントが発表されると、一時上げ幅を広げる展開となりましたが、最後は利益確定売りに押され、大幅高ながらも上げ幅を縮小して引けました。

 FRBのコメントで景気認識が上方修正され、国債買い切りの規模拡大も見送られましたが、実質ゼロ金利政策が継続、低金利政策=景気回復に向けての流動性支援策が続くことになり、安心感から買われ大幅高となりました。住宅指標も好転の兆しが見られ、弱気筋が懸念している「プライムローン」も今のところ問題が広がることもないようです。景気底入れ確認後も低金利、高流動性の金融政策が続くことで今後の景気回復を確かなものにしたというFRBの政策に対する期待が強まり、景気回復期待はますます強まるものと思います。

 個別にはトールブラザーズが予想を上回る5−7月期の売上高見通しや住宅契約件数の増加を発表、相場をけん引する格好で大幅高となりました。連れて、バルト・ホームズやレナーなど住宅関連銘柄が堅調となり、プライムローン問題への懸念が薄れたことでJPモルガンチェースなど金融株も高くなりました。前日引け後に発表した四半期決算が予想を上回ったアプライドマテリアルズ(AMAT)も堅調、半導体関連銘柄も高くなりました。FOMCで景気回復が示されたことでキャタピラーなど景気敏感銘柄が高くなりましたが、コカコーラなどディフェンシブ銘柄は乗り換えの対象となりさえない展開となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国市場が大幅下落となったことや為替が円高となったことから売り先行となりました。先物への執拗な売りは今日も続き、現物株に押し目買いが入って底堅い場面もあったのですが、最後まで先物へのまとまった売りは止まらず、安値圏での引け、大幅安となりました。指数は過熱感が強かったこともあり、売り急ぐ場面もあったものと思います。

 米国株が大幅反発となったことで、日本市場も反発が期待されます。改めて景気回復を織り込みに行くということなのでしょう。為替も円安方向に振れ、輸出関連銘柄なども買い戻しや押し目買いが入り堅調となってくるのではないかと思います。ただ、目先的な過熱感は払拭されておらず、為替も単に「戻った」というレベルに過ぎないことから上値も限定的となってくるかもしれません。オプションSQ(特別清算指数)算出に絡む思惑で先物の動きに振り回されそうです。ここのところ執拗な売りに上値を押さえられていましたが、本日もそうしたまとまった売りが出るのかどうか、逆に買戻しを急ぐ動きがあるのかどうかで指数の動きが決まりそうです。

 日経平均の10500円水準での底堅さを確認することになりそうですが、オプションSQに絡んで10500円の攻防となる可能性もあります。それでも、10000円から10500円というもみ合いから10500円を底とした、おそらく上値が11000円程度のもみ合いとなってくるのではないかと思われ、10500円台を固める動きとなるものと思います。先物の執拗な売りに上値を押さえられる場面もありそうですが、大きな流れは変わらないものと思われます。

本日の注目点

◇7月の首都圏・近畿圏のマンション市場動向(不動産経済研究所)

◇7月の米小売売上高

◇4−6月期のユーロ圏GDP

◇決算・4−6月期:東映(9605)、ぴあ(4337)

◇決算・5−7月期:米ウォルマート・ストアーズ

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