コラム
» 2009年08月13日 07時00分 UPDATE

餃子の王将の“王道”マーケティング (1/2)

これまでさまざまなマーケティング方法が実践されてきたが、近年、消費者に手の内を見透かされるようになっている。そんな中、王道のマーケティングを貫いて成功しているのが餃子の王将だ。

[増沢隆太,INSIGHT NOW!]

著者プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた)

RMロンドンパートナーズ(株式会社RML慶文堂)代表取締役。東京工業大学特任教授、コミュニケーション戦略家。人事コンサルタント兼大学キャリア教官兼心理カウンセラーで、東工大大学院では「コミュニケーション演習」の授業を行っているほか、企業では人材にも「戦略性」を重視する功利主義的アクティビティを提唱している。


 マクドのクォーターパウンダーだの0円コーヒーだの、絶妙だの、ティーザー・マーケティングだの、値入ミックスだの、クロスセーリングだの、ブレーンバスターだの回転足4の字固めだのは、もちろんマーケティング手法として、いろいろな研究から生まれたものだと思います(後半は違います。念のため)。

 しかし今のネット社会では、クォーターパウンダーのやらせ行列が瞬時に露呈、暴露されてしまったように、仕掛けそのものが読まれてしまう時代になりました。プロレスの流血でショック死していた時代とは違い、「ありゃジュースつって、仕込んどくんだよね」ということは素人でも知っています。

 いろいろなマーケティング手法もバブル時代にほぼペンペン草も生えないほどに刈り尽くされ、今さら全く意表を突くような画期的手法というものは、そもそも生まれにくい土壌だと思います。そんなやりにくい環境下、王道をずんずん行っているのが「餃子の王将」だと思いました。

ah_gyouou.jpg 餃子の王将公式Webサイト

 ブレイクのきっかけはテレビ朝日「アメトーーク」の「王将芸人」と言われています。私は毎回欠かさず見てるのですが、アレ見た翌日は王将に駆け込みました。そりゃ食べたくなりますよ。特に鳥唐(鳥の唐揚げ)。

 日ごろダイエット&健康上の理由から、自分から進んでは食べない鳥唐ですが、あの「魔法の粉」(オイオイ、大丈夫か、時節柄!?)と呼ばれるオリジナルスパイスをかけて食べる、という賞味方法まで語られちゃあ、居ても立ってもいられません。

 もちろん王将は提供クレジットには出ていませんでしたから、本当に現物だけの提供だったのだろうと思うのですが、それはともかく、「おいしそう」というメッセージを1時間ずっと伝えることに成功しました。

 ちなみにそれと連動するかのようにあったテレビ東京「カンブリア宮殿」での大東隆行社長の回、これまたアメトーークとは別に「やっぱギョーザ食べたい!」気を呼ぶのに十分でした。

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