米国株安、円高を受けて軟調、先物への執拗な売りもあって大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年08月12日 16時10分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 今週に入ってからこの三日同じような展開となっています。先物に執拗な売りがあるのですが、現物指数にはしっかりと買いが入り、最後は目先筋の買戻しが入って堅調という状況が続いています。本日はさすがに米国株が大幅下落となり、寄り付きから売り先行で始まり、最後は現物株にも売りが出てほぼ安値圏での引けとなったのですが、まさしくオプションSQ(特別清算指数)算出を控えて日経平均10500円の攻防となっています。

 このコラムでも何度か取り上げていますが、株式市場ばかりではなく、「情報」が氾濫しすぎているのではないかと思います。中国の市場動向やインドの市場動向の情報など、大きな方向性をしっかりと掴んでおけば済むような情報でもやれ寄り付きがどうしたなどと得意になって報じている情報会社などもあります。大手電機会社の増資報道でもあえてここで取り上げるようなニュースでもないのですが、今にでも需給が悪化するような報道になっていたりします。

 こうした報道やニュースをありがたがって知ろうとする方も悪いのかもしれませんが、特に知らなくてもいいことを「知っているものは何でも伝える」と言う姿勢はどうかと思います。何でも知りたがる人ももちろんいるのかもしれませんが、思惑や個人的な感情すらこめて報道するようなものも見受けられ、本当のニュースを知ることに支障をきたすようなことも出ています。事実を淡々と伝えるのもいいのですが、あまり細かく伝えても意味がないこともあり、整理しつつもあくまでも客観的に伝えることも必要でしょう。

 例えば外国人の売買でも欧州からの買いなのか、アジアからの売りなのかが分かればある程度相場を見ることが出来るのですが、それをあえて、アジアでも中国なのかインドなのかあるいは香港なのかを知ることなどはほとんど意味のないことではないかと思います。細かい数字にこだわってみたり、細かいニュースにこだわらなくても十分に相場の方向性や、世の中で何が起きているのかを知ることは出来るのです。あまり枝葉末節にこだわると肝心なところが埋もれて見えなくなってしまうこともあるので、注意が必要ではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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