米国株安や円高にも関わらず出遅れ銘柄を物色する動きで堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年08月11日 16時15分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10585.46円 △61.20円
売買高 19億1398万株
日経平均先物 10580円 △30円
売買代金 1兆3472億円
TOPIX 973.51 △4.27
値上がり銘柄 1026銘柄
東証マザーズ指数 469.20 △6.61
値下がり銘柄 506銘柄
日経ジャスダック平均 1227.75円 △8.95円
変わらず 156銘柄
騰落レシオ 113.05% △5.82%

日経平均

米国株安や円高にも関わらず出遅れ銘柄を物色する動きで堅調

 米国株が上げ一服となったことや円高となったことから売り先行となりました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が引き続き大幅買い越しと伝えられたことや景気回復期待が強いことからすぐに切り返し堅調な展開となりました。ただ、利益確定売りや先物への執拗な売りもあって上値も重く、指数は小動きとなりました。ハイテク銘柄や自動車株、機械株といった輸出関連銘柄は利益確定売りに押されて軟調となりましたが内需関連銘柄などディフェンシブ銘柄を中心に買いが入り指数を下支えました。

 後場も売り先行となりましたが、押し目買い意欲が強く底堅さが確認されると出遅れ銘柄を物色する動きで堅調な地合いが続きました。先物へのまとまった売りが散発的に出て指数の上値を押さえる要因となりましたが、それでも現物株への買いが続いたことから、最後は先物への買戻しもあって堅調、高値圏での引けとなりました。日経平均が10500円を抜けて来たことで買い方の回転も効き、先高感が強まって出遅れ銘柄などを物色する動きとなったものと思います。

 小型銘柄も堅調なものが目立ちました。主力銘柄に利益確定売りが見られるなかで乗り換えの対象となるものも見られ、東証マザーズ指数は大幅高、二部株指数や日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物は執拗にまとまった売りが出ていましたが、現物株が底堅く堅調なことから痺れを切らした買戻しなどがあって下値を売り切らず、最後は買戻しを急ぐ動きで指数を押し上げる展開となりました。

 世界的な景気回復が期待、確認されるなかで出遅れ銘柄を物色するような動きになりました。指数は過熱感も強まっているのですが、物色対象が広がり、循環することで個別銘柄の過熱感は強まらず、幕間つなぎの銘柄が活況となっているように、買い方の回転が効いて逆に指数を押し上げる動きとなっているようです。どこかで全面高というような状況になってから、過熱感を冷ますような調整となって来るのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 小動きとなりましたが、堅調となっています。指数は上値が重くなった感じですが、物色銘柄に変化が見られ、堅調と見てもいいのでしょう。RSIもストキャスティックスも高値圏にあり、過熱感が強まっているのですが、指数の過熱感の割りには個別銘柄の過熱感は強くないものと重います。上値は重いのかもしれませんが、10500円水準を固めるような底堅い展開が続くものと思います。

TOPIX

NYダウ

 上ヒゲ線となっていたので、安く寄り付くと天井となった可能性もありましたが取りあえずは堅調となったこと昨日の高値が天井となることは免れました。ただ、明日安く寄り付くようであれば「毛抜き天井」となっていったん6月高値水準(950)でのサポートを確認するような動きとなってしまいそうです。

円相場

NYダウ

 遅行線が雲を抜け切れずに調整となりました。ただ、日々線は雲を意識したところでは下げ止まっており、引き続き雲にサポートされて底堅さは見られるものと思います。ストキャスティックスは高値圏にあるのですが、RSIは上昇余地もあり、上値は重いのでしょうが底堅い堅調な地合いは続くものと思います。

銘柄ピックアップ

ディフェンシブ銘柄が軟調

戸田工(4100) 456 △80

 リチウムイオン電池の正極材の新工場を米国に建設すると新聞で報じられ、ストップ高となりました。米政府の支援策の対象として選ばれたtこで、シェア拡大のチャンスと見られ、好感する買いが集まりました。

東 芝(6502) 461 ±0

 ハイテク銘柄が総じて軟調となるなかで堅調となり、一時年初来高値更新となりました。ブルーレイ・ディスク(BD)参入を表明したことで好感する買いが入ったものと思われます。地震で工場が停止と伝えられ影響を懸念して利益確定売りを急ぐ展開となりました。

第一三共(4568) 1908 △90

 臨床試験を終えたインフルエンザ治療薬が9歳以下の小児患者への投与において、「タミフル」より高い効果が示されたとされたことで業績拡大期待から買われて大幅高となりました。

日新薬(4516) 1272 △8

 2013年にもアルコール依存症を治す医薬品を国内で初めて投入すると新聞で報じられ、好感する買いが入り堅調となりました。

GSユアサ(6674) 914 △53 明電舎(6508) 593 △37

 戸田工業(4100)が電池部材の工場新設を囃してストップ高となったことから「電池関連銘柄」を物色する展開となったことや指数に過熱感が出ているなかでの幕間つなぎ銘柄として取り上げられ、大幅高となりました。

サトー(6287) 978 △100

 昨日の大引け後に2009年4−9月期の業績見通しを顧客の在庫調整一巡に伴い製品需要が回復しているとして上昇修正、大手証券が投資判断を引き上げたこともあってストップ高となりました。

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