昨日とは反対に米国株安にも関わらず大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年08月06日 16時01分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10388.09円 △135.56円
売買高 19億7180万株
日経平均先物 10400円 △150円
売買代金 1兆5032億円
TOPIX 957.51 △7.93
値上がり銘柄 808銘柄
東証マザーズ指数 458.49 △0.44
値下がり銘柄 734銘柄
日経ジャスダック平均 1214.94円 △1.17円
変わらず 149銘柄
騰落レシオ 99.98% △1.03%

日経平均

昨日とは反対に米国株安にも関わらず大幅高

 米国株は底堅いながらも軟調となったのですが、昨日の大幅下落である程度織り込まれていたという感も強く、買い先行となりました。寄り付きの買いが一巡した後も外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたことや昨日のようなまとまった持高調整と見られる売りもなく、逆にハイテク銘柄や自動車株にまとまった買いも見られ堅調な展開となりました。先物のまとまった売り買いに右往左往しながら利益確定売りをこなして堅調な地合いが続きました。

 後場も売り物がちで始まったものの、寄り付きの売りが一巡した後からは戻り歩調となりました。先物や輸出関連銘柄などにまとまった買いが断続的に見られ、指数を押し上げ、指数の上昇が他の銘柄にも波及するといった展開で昨日の下落幅を一気に取り戻す展開となりました。市況の好転から非鉄株など市況関連銘柄も高く、業績悪化も予想ほどではないとしてディフェンシブ銘柄の一角が出遅れ感や割安感から買われるなどまとまった買いが入ったハイテク銘柄や自動車株ばかりではなくほぼ全面高となりました。目先筋の利益確定売りも見られ、最後は節目となった10400円を抜けませんでしたが、年初来高値を更新して大幅高で引けました。

 小型銘柄も堅調なものは散見されましたが物色対象が主力銘柄に移ったことで軟調なものが多くなりました。東証マザーズ指数や二部株指数、日経ジャスダック平均は小幅高に止まりました。先物は朝方から断続的にまとまった買いが執拗に入り、指数を押し上げる要因となっていたようです。オプションSQ(特別清算指数)の算出を来週に控えていることや商品市況などが好調ということも関係があるのかもしれません。

 久しぶりにほぼ全面高という状況になりました。特にこれだけ買われなければならない材料もないと思われましたが、昨日の大幅下落と同様に持高調整か何かの目先的な需給に振らされているということではないかと思います。いずれにしても節目と見られる10500円は抜け切れませんでしたが、異様な強さは見られ、年初来高値を更新したということで、いよいよ遅ればせながら10月暴落前の水準までの戻りを試す動きになって来るのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 本日陽線となったことで、調整となることは免れそうです。ちょうど昨日の安値が先週末の安値水準であり、「窓」を埋めることなく反発となったことで、再び上値を試すことになりそうです。ただ、RSIもストキャスティックスも高値圏からの調整を示唆しており、取引時間中でも高値を更新、あるいは心理的な節目でもある10500円を抜けてこないとまだ調整となる可能性はあるものと思います。

TOPIX

NYダウ

 今週初めの「窓」を埋めて戻りました。本日下落、陰線となるようであれば「三羽烏」となり、下落の始まりとなったのですが、それは免れたようです。明日も高くなれば調整となる可能性が薄くなりますが、RSIもストキャスティックスも高値圏からの調整となっており、いったん押し目を試すこともあるのかもしれません。

円相場

NYダウ

 方向感のない展開となっています。上値は遅行線が日々線に押さえられ、下値は基準線や転換線にサポートされている格好です。ストキャスティックスは高値からの調整を示唆しているようですが、中途半端な格好であり、RSIも中途半端な位置にあることから、いったん動きが出ると大きな動きになるのでしょう。遅行線が日々線に絡むところ(2〜3日後)には上下どちらに動くのかはっきりとして来るものと思います。

銘柄ピックアップ

過熱感もあり好決算への反応も鈍い

ニコン(7731) 1690 ▼188

 昨日の引け後に2009年4−6月期の決算を発表、同時に2010年3月期通期の連結利益予想の下方修正を発表したことから、売り気配で始まり大幅下落となりました。

住友鉱(5713) 1496 △49

 5日のロンドン金属取引所(LME)で、ニッケル先物相場が大幅続伸となったことを好感して買いが入り大幅高となりました。ニッケルだけではなく原油や金なども上昇基調にあることから収益上ブレ期待もあって買いが入ったものと思います。

NTT(9432) 4070 △100

 昨日の引け後に2009年4−6月期の連結決算を発表。営業利益が前年同期比12%減だったが、減益幅が予想より小さかったことが好感され堅調となりました。出遅れ感、割安感が強いことから、減益は織り込み済みとして材料出尽くし感もあったものと思います。

三井物(8031) 1308 △37

 世界的に原油価格を中心とした商品市況が堅調なことから業績回復期待が強まり連日の大商い、一時大幅高となりました。大手証券が投資判断を2段階引き上げたことも買い急がせる要因の一つとなったようです。

GSユアサ(6674) 875 △24

 乱高下となりましたが、最後は買戻しもあって堅調となりました。トヨタ(7203)が2012年に米国で電気自動車を投入すると報じられたことで、リチウムイオン電池の市場拡大が期待され買いが集まったものと思います。

エルピーダ(6665) 1195 △80

 DRAM市況の安定化を背景に業績回復の可能性が高まったということで、外資系証券が投資判断を最上位に引き上げたことを好感した買いが入り大幅高となりました。

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