コラム
» 2009年08月06日 07時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:人気はずっとモチモチ?――白いたい焼きブームの内側 (1/3)

密かに人気を集めている“白い”たい焼き。その魅力はどこにあるのだろうか、白いたい焼き屋を営む深山智利主さんに話を聞いた。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の企画・開発・実行、海外駐在を経て、1999年より2008年9月までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略、業務プロセス改革など多数のプロジェクトに参画。 2008年10月1日より独立。コンサルタント、エッセイストの顔に加えて、クリエイター作品販売「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『ナレッジ・ダイナミクス』(工業調査会)、『21世紀の医療経営』(薬事日報社)、『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など。2009年5月より印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載。中小企業診断士。ブログ→「マーケティング・ブレイン


 そのたい焼き屋があるのは郊外駅から2〜3分、しかしもう住宅街とも言える立地。朝とも昼とも言えない平日の11時、しかも梅雨のなごり雨がぽつりぽつりの天候。開店ほやほやとはいえ、お客さんは来るのだろうか?

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 ところがお客さまはひっきりなしに訪れ、どっさりお買い求めする。孫と一緒に来て、並んでいたおばあちゃんに「お好きなんですか?」と聞いてみた。すると、おばあちゃんは「流行りだから。乗り遅れちゃいけないでしょ」とニコっと笑う。

 孫のある人に“流行り”と言われる段階なら、ブームはもう下火なのだろうか? だが、その店の“白い”たい焼きは、どんどん焼かれ、どんどん売れていった。

大繁盛の新規出店

 「白いたい焼きが流行中」と遅まきながら耳にした私は、甘味“フォロワー”(追従者)である。ごく最近、初めて食べた。そのモチモチ感と、冷やしても美味しいという新鮮さにひかれ、元祖白いたい焼きの尾長屋を取材した。

 訪ねたのは2009年7月20日にオープンした東京都練馬区の平和台店。環八をちょっと越えたところにある、有楽町線・副都心線のベッドタウンの店舗だ。

 たい焼きの醍醐味は焼くところの見物である。5尾分の型に皮となる生地を流し込み、具材を切り分けて載せていく。もう片側にも生地を流し、ある程度焼けた頃合いで(タイマーをセットしていた)ぱたんと両方をとじて、しばらくすると一丁上がり。

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 焼き手はアルバイトのようだが、手さばきはいい。皮の隅々に気を遣っている。驚いたのはいくらオープン当初で忙しいからとはいえ、焼き、バリ(型からはみ出た部位)の切り取り、具材や皮材料の仕込み、レジと包みに7〜8人もいる。店員、多すぎませんか?

 「実は8月3日に3店舗目を(東京都板橋区の)大山にオープンするので、その研修を兼ねてます」とはFC(フランチャイズ)店を運営するバイオシステムの深山智利主社長。「たった2カ月のうちに3店舗を開店するとは、今が旬とにらんで“もうけ逃げ”しようということなのだろうか?」と下司な勘ぐりもしたのだが……。

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