利益確定売りや持高調整の売りで大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年08月05日 17時11分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10252.53円 ▼122.48円
売買高 19億1614万株
日経平均先物 10250円 ▼150円
売買代金 1兆4216億円
TOPIX 949.58 ▼9.44
値上がり銘柄 538銘柄
東証マザーズ指数 458.05 ▼3.34
値下がり銘柄 1024銘柄
日経ジャスダック平均 1213.77円 ▼0.33円
変わらず 125銘柄
騰落レシオ 98.95% ▼7.32%

日経平均

利益確定売りや持高調整の売りで大幅下落

 米国株は相変わらず堅調となり、為替も落ち着いた動きとなりましたが、TOPIXが13連騰となるなど目先的な過熱感も強く買い先行で始まったものの上値の重い始まりとなりました。寄り付きの買いが一巡した後は外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)売り越しと伝えられたこともあり、利益確定売りを急ぐ動きから軟調な展開となりました。その後も底堅さは見られるものの買戻しを急ぐ動きもなく軟調な地合いが続きました。ここまで相場をけん引してきたハイテク銘柄や自動車株など輸出関連銘柄が利益確定売りや持高調整と見られる売りに押され、戻りの鈍かった電鉄株や医薬品株、食品株などがしっかりとした動きとなって指数の下支えとなりました。

 後場は戻りの鈍さを嫌気して下げ幅を広げる展開となりました。前場に引き続き過熱感は強いものの出遅れ銘柄の物色で指数は底堅く、底堅さを見ると先物へのまとまった売りにも追随する動きが少ないという状況でした。為替が円高傾向にはあるのですが、円高が大きく進むこともなく小動きとなっていたのですが、引けを意識する時間帯になると先物への見切り売りや仕掛け的な売り、持高調整と見られる売りがかさんで指数を押し下げる動きとなり下げ幅を広げる展開となりました。最後まで見切り売りが続き、10300円を割り込んで節目と見られる10200円台半ばようやく下げ止まりましたが安値引けとなりました。

 小型銘柄も軟調なものが目立ちました。値動きの良い銘柄に目先筋の売買も集まるようで、見切り売りに押されて安くなるものが多くなりました。日経ジャスダック平均は小幅安に止まりましたが東証マザーズ指数や二部株指数は軟調となりました。先物も仕掛け的な売りも見られ、暫くは追随する動きも限定的で大きく下押す動きにはなりませんでしたが、引け際にはヘッジ売りと見られる売りもかさんで指数の上値を押さえ、持高調整の売りに追随するように売り急ぐ展開となりました。

 ようやく上げ一服となりました。ただ、出遅れ感が強い食品株や医薬品株、電鉄株や電力株など値持ちの良い銘柄も見られ、商社株なども今期の業績回復に対する期待から買われるなど、指数が下げている割りには悲観的な見方も少ないのではないかと思います。持高調整の売りが見られることは気になりますが、米国経済指標の極端な悪化などがない限り、節目と見られる10100円台半ばから10200円台半ばでは下げ止まり、押し目を確認しそうな感じです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 上値の重い展開から大きな陰線となったことで、調整となってしまうかもしれません。取りあえずは先週末の安値水準では下げ止まり、まだ週末に空けた「窓」を埋める水準=10100円台半ばまでの調整で済むのかどうかを試すことになりそうです。RSIやストキャスティックスも高値圏からの調整を示唆しており、転換線で下げ止まるかどうかが注目され、転換線を割り込むと遅行線が日々線にサポートされる水準まで調整となるのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 週初に「窓」を空けたところを埋める格好となりました。「三空」のあとの「三川」と言うような格好でいったん高値をつけた可能性もあります。それでも先週末の水準(940)では下げ止まるのではないかとおもいます。

円相場

NYダウ

 依然として遅行線が日々線上値を押さえられ、基準線にサポートされている状況に変わりありません。もみ合いが続いたことでストキャスティックスも上昇余地が出て、RSIも上昇余地があることから遅行線が日々線に絡む、あるいは日々線が雲に絡むところで上下どちらか方向が決まり、いったん決まった方向に大きく動くという展開になるのではないかと思います。それまではもみ合いが続くのでしょう。

銘柄ピックアップ

過熱感もあり好決算への反応も鈍い

村田製(6981) 4360 ▼90

 パナソニック(6752)の電子部品子会社が手掛ける積層セラミックコンデンサー事業を買収すると発表したが、先月来の上昇から利益確定売りに押され軟調となりました。ただ、世界的な景気回復など事業環境の好転から売り急ぐ動きもなく底堅さも見られました。

三井物(8031) 1271 △24

 前日の引け後に2009年4−6月期決算を発表、2010年3月期通期の連結業績予想は据え置いたものの第一四半期の通期利益に対する進捗率が5割を超えたことを好感する動きから買いが入り、最後は目先筋の利益確定売りに押され堅調というに止まりましたが、一時大幅高となりました。

トヨタ(7203) 3980 ▼50

 昨日の引け後に2010年3月期決算で連結最終損益が従来の予想に比べて赤字幅が大幅に縮小しそうだと発表されましたが、既に業績改善期待が強まっていたことから、利益確定売りがかさみ、軟調となりました。

堀場製(6856) 2100 ▼190

 排ガス計測装置の収益性悪化が中期的な懸念要因として、外資系証券が投資判断を引き下げたことから、売りがかさみ大幅下落となりました。

古河電(5801) 434 ▼28

 昨日の引け後に4−6月期決算を発表、1−3月期に比べ改善してはいるものの進捗率が会社計画に対して厳しい状況となっており、計画未達懸念やここのところの上昇の反動から大幅下落となりました。

日本化(4092) 236 ▼13

 2009年4−6月期の連結業績を昨日の引け後に発表。営業損益が赤字に転落したと発表したことから見切り売りがかさみ大幅安となりました。

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