どうなる総選挙? 北海道のアノ大物議員のポスターにイタズラ伊藤惇夫と上杉隆が総選挙を占う(3/3 ページ)

» 2009年08月05日 11時40分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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自民党に逆風が吹き荒れている

 北海道の大物政治家が立候補する選挙区では、どのようなことが起きているのだろうか。

 例えば北海道11区で9選を目指す自民党の中川昭一氏は、苦戦を強いられているようだ。上杉氏はこのように語った。「1カ月ほど前に中川さんの選挙ポスターにイタズラが頻発した。しばらくして63歳の女性が逮捕されたが、その女性の元夫は酒乱。酒に溺れた会見をした中川氏を見て、元夫を思い出したのだろうか。63歳の女性は中川氏に嫌悪感を感じ、ポスターにイタズラをしたようだ」。しかしこの女性のケースは例外ではない。中川事務所で支援しているのは年配の男性ばかりで、「多くの女性はボイコット状態だ」という。

 また小泉元総理の下で幹事長を務めた北海道12区の武部勤氏は、自民党の名前を出さずに選挙戦を戦っている。「オホーツクの武部です! といって選挙区を回っていた。自民党の名前を出して選挙に勝つのは難しいと判断しているのかもしれない」

 自民党に逆風が吹き荒れている感じがする北海道だが、一方の民主党はどのような状況なのだろうか。「民主党代表の鳩山由紀夫氏(北海道9区)は前回・前々回の選挙ではあまり人気がなかった。しかし今回の選挙戦では戦後初、北海道から総理大臣が誕生するかもしれないということで、(有権者から)『邪魔をしない』といった雰囲気が感じられた」と話す。

北海道での選挙戦について語る上杉氏(右)、政治アナリストの伊藤氏(右)

麻生総理の事務所で

 北海道を取材した上杉氏は「民主党有利」と見ているが、麻生総理の地元(福岡8区)ではどのように感じたのだろうか。

 麻生総理の選挙事務所に足を運んだ上杉氏だが、待っていたのは“風当たりの強さ”だった。「多くの選挙事務所では、どんな人が訪れても温かく迎えてくれるもの。しかしこちらが取材に行ったのに、逆に突き上げを食らってしまった。選挙戦はかなり厳しい感じで、余裕のなさを感じた。現職の総理がここまで厳しいということは、他の自民党候補もかなり厳しいのではないか」と見ている。

 北海道と福岡県に足を運んだ上杉氏は、このように感じた。「2005年の郵政選挙では都議選の結果を逆転する形で、自民党が勝利した。しかし今回は逆転するチャンスは少ない。ただ民主党を応援している人が多いというより、自民党を引きずり落とそうとする力が強い」と分析した。

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