どうなる総選挙? 北海道のアノ大物議員のポスターにイタズラ伊藤惇夫と上杉隆が総選挙を占う(1/3 ページ)

» 2009年08月05日 11時40分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 8月30日の総選挙まで1カ月を切った――。各社の世論調査によると「民主党有利」が伝えられているが、「まだ誰に投票するかを決めていない」という人も多いだろう。

 確かに選挙戦はまだ“序盤”かもしれないが、専門家の声に耳を傾けてみるのも悪くはないはず。今回の総選挙について、政治アナリストの伊藤惇夫(いとう・あつお)氏とジャーナリストの上杉隆(うえすぎ・たかし)氏はどのように見ているのだろうか。8月4日に日本外国特派員協会で語った内容を紹介する。

選挙の“風”が吹くかもしれない

政治アナリストの伊藤惇夫氏

 「選挙の結果はというのは最後の最後まで分からない」というのは、政治アナリストの伊藤氏だ。日本の選挙は“風”という不思議な存在で動かされるという伊藤氏だが、「その風を把握するのは難しい」とも。

 それでは選挙で吹く風とは、一体どんなものなのだろうか。伊藤氏がいう風とは、無党派層のことで「この人たちの動きによって選挙の結果は大きく左右される」と話す。

 2005年の郵政選挙で、自民党は296議席を獲得した。しかし伊藤氏は自民党の“基礎体力”は230議席ほどと見ている。今回の総選挙で「自民党の基礎体力は10〜20%低下しているので、180〜210議席に減少するのではないか」と予測する。

 一方の民主党は前の選挙で177議席から64議席減らし、113議席に落ち込んだ。「民主党は200議席以上を獲得できる基礎体力は付けているが、自民党も民主党も大きな違いはないだろう」と見る。しかし有権者からは「政権交代」を望む声より、「とにかく政権を変えたい」といった思いが強いという。

3つのハードル

 「現時点で、政権交代の可能性は60%ほど」という伊藤氏。ただ民主党が政権を手にするためには、3つのハードルがあるという。

 1つめは「風」だ。選挙で吹く風は気まぐれですぐに方向を変える。そのため現時点で「予測することは難しい」と述べた。

 2つめは民主党自らが犯すミスだ。「民主党はこれまで、(政権を取るのに)あと1歩というところでミスを犯してきた。陸上の3段飛びに例えると、ホップ・ステップ・ジャンプではなく、ホップ・ステップ・肉離れ。今回の選挙でも、この可能性は否定できない」という。

 3つめに、有権者の不安心理を挙げる。これまで有権者は、選挙によって政権を選択したことがない。そのため選挙前になって「冒険をするのは止めよう」と不安が募り、民主党に投票しないかもしれないという。

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