住宅指標や個人消費指標の好転を受けて利益確定売りをこなして堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年08月05日 08時48分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9320.19△33.63

<NASDAQ>2011.31△2.70

<為替:NY終値>95.21-95.27

住宅指標や個人消費指標の好転を受けて利益確定売りをこなして堅調

 朝方発表された個人消費・支出で個人消費が予想上回り、仮契約住宅販売指数も予想を上回る上昇幅で前月を上回るなど景気回復の兆しを示すことになりましたが、前日までの上昇などから利益確定売りが優勢となり、軟調な展開となりました。原油先物相場も上げ一服となり、一時対円でもドルが売られたことも利益確定売りを急がせる場面もありました。それでもキャタピラーが長期的な利益見通しを発表するなど「先が見える」展開となり、景気回復期待の高まりは変わらず、底堅さが確認されると最後は買戻しなどもあり、堅調となりました。

 最近は引け際に買戻しを急ぐ動きが見られますが、それだけショートポジション(売り持ち)を持ちきれないということかもしれません。先高期待、景気回復期待がそれだけ強いということなのでしょう。自動車販売や住宅指標の回復、少なくとも悪化に歯止めがかかったと見られることは個人消費や雇用が底入れとなる可能性が出るということなのでしょう。指数は目先的には過熱感も強く、主要な経済指標や雇用統計の発表を前に買い上がり難いのでしょうが、節目と見られる水準を抜けて来たことで買い方の回転も効いており、強含みの展開が続くものと思います。

 個別には先行きの見通しが強気と受け止められたキャタピラーが大幅高、経済指標の好転が景気回復の兆しとして見られたことからJPモルガンチェースやバンクオブアメリカなど金融株も堅調となりました。インテルやIBMは利益確定売りに押され、原油価格の下落を受けてエクソンモービルも軟調となりました。DRホートンは赤字決算が嫌気されて売られる場面もありましたが、住宅指標の好転もあり、最後は買戻しも入って堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が大幅高、為替も円安となるなかで上値の重い展開となりました。前日までTOPIXが12連騰となるなど過熱感が強まっていたことに加え、外国人が売り越しと伝えられたことや持高調整の動きがあったことなどなどから手仕舞い売りやヘッジ売りがかさんだものと思います。決算発表が本格化していますが、比較的底堅い堅調な決算となっているものが多く、大きく下押すこともなく上げ幅を縮小したものの堅調、TOPIXは13連騰となりました。

 目先的な過熱感は否めないものの米国株高や円安を好感する動きはあるものと思います。物色対象が循環的に変わり、買い方の回転は効いているものと思われ、強含みの展開が続くものと思います。ハイテク銘柄などが底堅い動きとなり、ディフェンシブ銘柄などで遅れ感が強い銘柄の水準訂正となれば指数も一段高となるのでしょう。ただ、いったん指数の上値が重くなるようであれば幕間つなぎ的に材料株や値動きの良い小型銘柄が物色されるものと思います。目先的に過熱感も出ていることから外国人売りやちょっとした持高調整の売りが出ると手仕舞い売りを急ぐ展開となり、昨日のように上値も重くなり、逆に先高期待からオプションSQ(特別清算指数)に絡んだ先物へのまとまった買いなどが見られると大きな上昇となるのでしょう。

 TOPIXは13連騰となり過熱感が強まっていますが、日経平均に比べて出遅れていた感が強く、底堅い強含みの展開はまだ期待していてもよさそうです。日経平均は10500円を抜けてくるかどうかというところです。特に大きな節目ではないのですが、オプションSQが近いことを考えるとこの水準を抜けるかどうかで雰囲気は変わって来るものと思います。調整となっても、下値の節目は先週末に「窓」を空けて上昇したところがメドとなるものと思われ、10200円台半ばや10100円台半ばでは押し目を確認できるものと思います。

本日の注目点

◇7月の米ISM非製造業景況感指数

◇決算・4−6月期:国際石油開発帝石(1605)、大成建設(1801)、大林組(1802)、鹿島(1812)、博報堂DYHD(2433)、クレハ(4023)、住友大阪セメント(5232)、アルプス電気(6770)、ヨロズ(7294)、ニコン(7731)、オリックス(8591)、京浜急行電鉄(9006)、東京放送HD(9401)、NTT(9432)、セコム(9735)

◇決算・1−6月期:日本マクドナルドHD(2702)、コカ・コーラCJ(2580)、旭硝子(5201)

◇決算・5−7月期:米シスコシステムズ

◇決算・4−6月期:米P&G、独アディダス

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