強弱感が入り混じり、決定的な材料に乏しくまちまちの展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年08月03日 15時55分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

強弱感が入り混じり、決定的な材料に乏しくまちまちの展開

市況概況

日経平均 10352.47円 ▼4.36円
売買高 21億4548万株
日経平均先物 10360円 ▼10円
売買代金 1兆4944億円
TOPIX 957.56 △7.30
値上がり銘柄 1013銘柄
東証マザーズ指数 464.86 △1.47
値下がり銘柄 551銘柄
日経ジャスダック平均 1214.05円 △2.08円
変わらず 123銘柄
騰落レシオ 102.24% ▼1.95%

日経平均

強弱感が入り混じり、決定的な材料に乏しくまちまちの展開

 週末の米国市場も経済指標の好転と週末の手仕舞い売り、過熱感が入り混じりまちまちとなりました。日本市場はそうした方向感を決め難い状況に加え、為替が円高で売りが先行、逆に週末に年初来高値更新となり節目を抜けて買い気も出てくるところという雰囲気で方向感のない始まりとなりました。下がれば買戻しが入り、上がれば目先筋の利益確定売りが出て先週末の終値をはさんだ動きとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も株数ベースでは売り越しながらも金額ベースでは買い越しとまちまちの展開となっており、最後まで強弱感は出ず小動きに終始しました。

 後場に入ってもいっこうに動きは出ず、寄り付き直後から戻りを試す動きになりかけたのですが、改めて上値の重さを確認する格好となり、逆に上値の重さが嫌気されて先物にまとまった売りが出ても追随して売り叩くこともなく、盛り上がりもなく小動きとなりました。業績回復が期待されて自動車株が総じて堅調、商品市況の回復から非鉄株なども高くなり、決算発表を受けて金融不安が薄れたことで金融株も軒並み高となったのですが、物色対象が広がらず、腰の据わった買いも少なく上値も限定されてしまったものと思います。

 小型銘柄も底堅い堅調なものが多いのですが利食い売りや戻り売りをこなしながらということで上値も限定的なりました。売り急ぐ動きも少ないのですが、動きが出るまで買い難いということのようです。先物もまとまった売り買いが散発的に見られるのですが追随するような動きはほとんどなく、方向感を出すまでにはいたりませんでした、先行きに対する自信のなさも手伝って目先筋の小掬い商いが中心となっているようです。

 日経平均は小反落、TOPX指数は逆に年初来高値を更新して12連騰となりました。出遅れ感が強いと思っていたのですが、逆に過熱感が出ているような感じです。12連騰は1988年3月の16連騰、1990年5月の13連騰についで1988年11月と並ぶ3位の記録ですが、全くといっていいほど盛り上がり欠ける相場であり、連騰記録の割りには「???」とはてなマークが3つくらい付きそうな相場です。ただ、過熱感というよりはしっかりと景気回復を織り込みつつあると考えても良いのではないかと思われ、出遅れ感が強い銘柄や割安銘柄を物色する動きも出てくるだろう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 高値圏で小動き、「気迷い線」出現となりました。明日の寄り付きが高ければ上伸する可能性も高いのですが安く寄り付くと、RSIもストキャスティックスも高値圏にあることからいったん今日が高値(取引時間中)と言うことになる可能性もありそうです。ただ、先週末に空けた「窓」を「埋める」水準である10100円台半ばから後半では下げ止まるものと思います。その水準を割り込んでも10000円を意識するところでは下げ止まるものと思います。

TOPIX

NYダウ

 ようやく6月の高値を抜けて来ました。本来ならばここからは買い方の回転が効いて一気に上昇となるところですが、本日で12連騰となったことやRSIもストキャスティックスも高値圏にあることから、上値も重くなってきそうです。いったん、達成感から押し目を探る動きとなるのかもしれません。

円相場

NYダウ

 遅行線が日々線を抜け切れずにこんどは日々線が基準線のサポートを確認するような格好となりました。RSIも上昇余地がありながらも下落を示唆しているようにも見え、ストキャスティックスは高値圏からの調整が続いており、暫くは遅行線が日々線に上値を押さえられ、日々線が雲に上値を押さえられて上値の重い展開となり、一方で日々線が基準線にサポートされて下値を確認するような動きが続くものと思います。

銘柄ピックアップ

業績回復期待から自動車株が高く、市況回復で非鉄株が堅調

ホシザキ(6465) 1393 △145

 2009年12月期はコスト削減効果から営業減益ながらも会社計画を上回る見込みであり、7−9月期の需要次第で利益上ブレも期待出来るとして大手証券が投資判断を最上位としたことを好感し大幅高となりました。

三菱UFJ(8306) 600 △34

 先週末に2009年4−6月期連結決算を発表、収益改善を評価する買いが入り大幅高となりました。主力輸出関連銘柄などに比べ出遅れ感が強いこともありちょっとした買いが入ると大きな上昇となるようです。

日産自(7201) 726 △37

 米国での自動車販売が持ち直してきていることや先週発表した4−6月期決算で営業黒字になったことを引き続き好感、日米で来年から投入する予定の電気自動車を発表したことも注目されて大幅高となりました。

リコー(7752) 1239 ▼3

 先週末の大引け後に2009年4−6月期決算を発表。同時に2010年3月期の連結純利益見通しを下方修正したことから売りが先行し、軟調となりました。景気回復に乗り切れない銘柄として見切り売りも出たものと思います。

アサヒ(2502) 1485 ▼20

 先週末に発表した2009年1−6月期の連結決算は純利益が前年同期比17%増と期初の会社予想(7%増)を大幅に上回ったが、織り込み済みということで材料出尽くし感から売られて軟調となりました。

塩野義(4507) 2060 △101

 朝方からインフルエンザ薬などの新薬開発期待が根強く、買いで大幅高となっていましたが、後場に入って2009年4−9月期の連結利益見通しを下方修正したことで上げ幅を縮小する場面もありました。ただ、株価には織り込まれているものとして買い直す動きもあり、結局大幅高となりました。

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