週末の手仕舞い売りもあって上値も限定的清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年08月03日 08時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9171.61△17.15

<NASDAQ>1978.50▼5.80

<為替:NY終値>94.68-94.74

GDPや景気指数の改善を好感して堅調だが週末の手仕舞い売りもあって上値も限定的

 注目された4−6月期のGDPの伸びが予想を上回ったことから、買い先行となりました。シカゴ購買部協会景気指数も予想以上の改善とされたことで、堅調な地合いが続きましたが、一方で1−3月期のGDPが下方修正されたことや個人消費がマイナスに転じたことなどを嫌気する動きもあり、上値も限定的となりました。ダウ平均は高かったのですが、ナスダック指数は利益確定売りや週末の手仕舞い売り、ヘッジ売りに押されて軟調となりました。原油や貴金属なども景気回復期待や信用収縮懸念が薄れたことから高く、相場全体の地合い好転に寄与していました。

 7月の上昇率が2002年10月以来の上昇となりましたが、業績改善や景気回復に対する期待を大きく織り込んだものと思われます。今後は景気回復の度合いを図る動き、特に雇用や個人消費の底入れ、回復が期待されており、企業業績の回復が個人消費に結びついてくるのかどうかなどが注目されるものと思います。今週は経済指標の発表に一喜一憂する展開になりそうですが、景気回復をある程度織り込んできただけに上値も重くなりそうで、経済指標への反応も好転よりも悪化に敏感に反応してしまいそうです。

 個別には原油価格など商品市況の好転を受けてアルコアやスリーエムといった素材産業が高く、GDPが予想を上回ったことでの景気好転期待からGE(ゼネラルエレクトリック)やキャタピラーなども高くなりました。石油株は業績悪化を嫌気してエクソンモービルは軟調となりましたが、同様に芳しくない決算を発表したものの2009年の生産見通しを引き上げたシェブロンは高くなりました。四半期決算の発表で売上高が予想を下回ったウォルト・ディズニーが売られ、ファイザーやジョンソンアンドジョンソン、プロクターアンドギャンブルなどディフェンシブ銘柄の一角が軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高や円安に加え、好調な決算発表を受けて大幅高となりました。日経平均は前日に引け値ベースで年初来高値を更新、節目を抜けたこともあり、一気に買いが入ったものと思います。景気回復、業績回復期待からの水準訂正の動きもあり、大幅高となったものと思います。

 週末の大幅高の反動や米国市場は上値の重い展開となったことから上値の重い展開となりそうです。一方で日米を始め、世界的な景気回復期待も強まっており、底堅さも見られるものと思います。商品市況の好転も見られることから、ここのところ売られていた資源エネルギー関連銘柄などは堅調な動きとなるものと思われますが、一方で指数に影響の大きな輸出関連銘柄などは目先的な過熱感や円高を嫌気して売り先行となるのかもしれません。信用収縮懸念が薄れたことで金融株などが物色されるような展開になれば、日経平均に比べて出遅れ感の強いTOPIX指数も堅調となるのでしょう。

 日経平均は6月の高値を抜けてきたことで弾みがつき、10000円台を保つような動きになるものと思います。抜けてきた6月高値水準では押し目を確認する場面でも下げ止まるものと思います。一方でTOPIX指数が6月高値を抜け切っておらず、上値の重さが気になりますが、日経平均が下値を固める場面で出遅れ銘柄を物色するような展開からTOPIX指数も追いついてくるのではないかと思います。輸出関連銘柄などの物色が一巡したところで物色対象に広がりが見られるかどうかが注目されます。

本日の注目点

◇7月の新車販売台数(自販連)

◇7月の米ISM製造業景況感指数

◇7月の米新車販売

◇決算・4−6月期:パナソニック(6752)、マルハニチロHD(1334)、帝人(3401)、トクヤマ(4043)、三菱ガス化学(4182)、宇部興産(4208)、アステラス製薬(4503)、三菱マテリアル(5711)、フジクラ(5803)、IHI(7013)、曙ブレーキ工業(7238)、スズキ(7269)、ダイハツ工業(7262)

◇決算・1−6月期:菱食(7451)

◇決算・10−6月期:サイバーエージェント(4751)

◇決算・1−6月期:英HSBC、英バークレイズ

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