若いジャーナリストの芽を摘んできたのは……この男たちだ上杉隆×ちきりん「ここまでしゃべっていいですか」(2/2 ページ)

» 2009年08月03日 11時30分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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いつジャーナリストを辞めてもいいや

ちきりん 講談社は『月刊現代』の後継誌として、『G2(ジー・ツー)』を創刊すると発表しましたね。連載メンバーに上杉さんの名前もありましたが。

上杉 連載を始めるにあたって、僕は藤田康雄編集長にこう言っています。「この人が書けばこういった内容になる」と推測できるような、大物ジャーナリストが書くのであれば「協力しない」と。

ちきりん 上の世代が下の者にチャンスを与えないというのはジャーナリズムの世界だけではなく、他の業界でも多いですよね。

上杉 メディアの世界では、一旦フリーになってから結局再び出版社などに戻ってしまう人が多い。彼らがフリーとして踏ん張れないのは、上からの圧力があるからというのも一因です。それから一番大きいのはお金の問題で、フリーで食っていくことは本当に難しい。

 僕の場合は特殊な例で……運が良かっただけ。運が良かった理由として、「いつジャーナリストを辞めてもいいや」という気持ちがあったのも確かですが。

ちきりん だから上杉さんは言いたいことを言い、書きたいことを書いてきた。

上杉 だけど好き勝手なことばかり言っていると、フリーの場合、仕事がなくなってしまう。僕は「仕事がなくなれば、またカラオケ屋で働けばいいや」といった気持ちがあります。でも彼らは記者の仕事しかしたことがないので、“打たれ弱い”のかもしれない。なので、戦争を潜り抜けたようなしたたかな上の世代を引きずり下ろすといった力もなく、彼らの言うことを粛々と聞いているだけになっているのでしょう。(続く

 →朝日新聞の記者はそんなにスゴイの? 日本の常識と世界の非常識(第7回)

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