ミニストップ、使用済み油をバイオ燃料の原料として提供――CO2削減効果は年1000トン

» 2009年07月31日 14時58分 公開
[栗田昌宜,Business Media 誠]

 コンビニエンスストアチェーンのミニストップは7月30日、東京都23区内のミニストップ店舗から排出される使用済み油(廃食油)を8月1日からバイオディーゼル燃料の原料としてシナネンに有償で提供開始すると発表した。シナネンは廃食油を精製してB5燃料を製造し、東京都の都バスをはじめとするディーゼル車両の燃料として販売する計画。

※B5燃料:廃食油からできたバイオディーゼル燃料を軽油に5%混合した燃料

 ミニストップは、店内で軽食やデザートが食べられるようにファストフードコーナーを設けているのが特徴。排出される廃食油はファストフードの調理に使用したもので、2週間に1度のサイクルで各店舗から回収され、シナネンの工場でバイオディーゼル燃料に精製される。

 23区内のミニストップ店舗から排出される廃食油は年間約530キロリットル。これを原料に約500キロリットルのバイオディーゼル燃料が精製され、約1万キロリットルのB5燃料が製造される。生物由来のバイオディーゼル燃料は、カーボンニュートラル※※の考え方により、燃焼させてもCO2の排出量には計上されない。このためミニストップでは、年間約530キロリットルの廃食油からできたB5燃料は、従来の軽油と比較した場合、年間に約1000トンのCO2削減が見込める、としている。

※※カーボンニュートラル:動植物からできた有機性資源(バイオマス)は光合成で大気中のCO2を吸収しており、燃焼させても吸収したCO2を放出しているだけなので、大気中のCO2の増減には影響しないこと。

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