石原慎太郎、筑紫哲也、猪瀬直樹……彼らを批判したら、こんなことがあった上杉隆×ちきりん「ここまでしゃべっていいですか」(3/3 ページ)

» 2009年07月31日 11時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3       

相手を追い込んでも、逃げ道だけは残す

ちきりん 情報を取りそろえて売れないのは新聞だけではなく、今の総合週刊誌もそう。いろいろな記事がありますが、一般的なサラリーマンというのはもはや少ない。なので「このことを知りたい」という人は、総合週刊誌を離れネットに流れているのでは。

上杉 総合週刊誌を読む人は、それが“習慣化”されているだけ。例えば『週刊現代』の加藤晴之さんが編集長をしているとき(関連記事)、スクープを連発していましたが、部数は減少していった。もはや「スクープがあれば雑誌が売れる」時代ではなくなったのかもしれません。

 僕は記事を書く場合、“ちゃかして”いることが多い。相手を追い込んでも、逃げ道だけは残しています。だけど編集長の中には加藤さんのように「相手のクビを取ってやろう!」という人もいて、とにかく徹底的に叩きまくる。「こいつは浮気をした! 悪い奴だ!」といった記事がありますが、読者の中には「オレも浮気をしているけど、大丈夫かな」と、不安に感じてしまう人もいる(笑)。

 「朝青龍は稽古を3日も休んだ! あいつは悪い奴だ!」といった記事を読んでも、サラリーマンもいい気分がしないのでは。自分も仕事をサボって雑誌を読んでいるのに「お前は悪い奴だ」と書かれていると、息が抜けなくなっちゃう。

ちきりん エンターテイメント性がなく、告発書のようになっている。

上杉 でも『週刊新潮』や『週刊文春』の部数は、他の総合週刊誌に比べあまり落ちていない。なぜなら、取材相手を追い込みながらも「お前が悪い」といった書き方をしていないから。「政治よ、解散せよ!」といった切り口ではなく、あくまで許している部分が最後に残っているからでしょうね。(続く

 →若いジャーナリストの芽を摘んできたのは……この男たちだ(第6回)

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.