米国株安にも関わらず決算動向を受けて堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年07月30日 15時52分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10165.21円 △51.97円
売買高 19億4641万株
日経平均先物 10200円 △90円
売買代金 1兆5000億円
TOPIX 936.94 △6.58
値上がり銘柄 675銘柄
東証マザーズ指数 464.73 △9.06
値下がり銘柄 834銘柄
日経ジャスダック平均 1208.96円 ▼0.22円
変わらず 173銘柄
騰落レシオ 108.94% ▼1.23%

日経平均

米国株安にも関わらず決算動向を受けて堅調

 米国株は軟調となりましたが、為替が円安に振れたことや日本での決算発表を受けてADR(米預託証券)が高かったこと、またシカゴ市場(CME)の日経平均先物も堅調となっていたことから買い先行となりました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も大幅売り越しと伝えられたことや目先的な過熱感もあり、また円高傾向になったことを受けて、寄り付きの買いが一巡した後は上値の重い展開となりました。寄り付き前に発表された6月の鉱工業生産指数(速報)はほぼ予想通りということで影響はほとんどありませんでした。

 上値の重さが見られ、前場の引け際から戻り歩調となりました。後場も上値の重い始まりでしたが、決算発表が続々と行われるなかで比較的回復基調にある企業が多かったことや為替が円安に振れたことから強含みとなりました。それでも執拗に先物への売りが出て上値を押さえる展開となりましたが、買戻しや決算を好感した買いが指数を押し上げる格好となり、結局最後は買戻しを急ぐ展開となって指数は高値圏での引け、日経平均は年初来高値更新となりました。

 小型銘柄はまちまちとなりました。利益確定売りや見切り売りがかさむなかで決算に反応する動きもあり、東証マザーズ指数は前日に続きバイオ関連銘柄が買われて大幅高、日経ジャスダック平均や二部株指数は上値の重い展開で小幅安となりました。先物はまとまった売りが執拗に出ており、上値を押さえる要因となりましたが、目先筋の買戻しが中心となって上値抜けると買戻しを急ぐ動きから最後は指数を押し上げる要因となりました。

 ようやく6月12日につけた引け値ベースでの年初来高値更新となりました。米国市場同様に四半期決算の発表が行われるなかでの高値更新となっているだけに業績回復をしっかりと織り込みに行く、つまり、期待だけではなく、実体経済の回復を株価に織り込むところであり、ここは素直に見ていけば良いのではないかと思います。これで米国経済指標の好転などから見られれば、4年前の「郵政解散」選挙時の暴騰のように、オプションのヘッジのために先物を買い上がるような動きから、相場を押し上げることになるのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 ようやく年初来高値更新となりました。相変わらずローソク足の形は「首吊り足」のような形で、抜けたといっても安心は出来ませんがここまで10000円を割り込まないと10000円水準を抜けたと見てもいいのではないかと思います。6月に9500円の押し目を確認したところで遅行線が日々線と「天−底」一致となる可能性もあり、RSIには上昇余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値にあり、いったん調整となる可能性もありそうです。ただ、10000円の節目を意識するうごきになるものと思われ、大きな下落と言うよりは日柄整理が続いているということなのかもしれません。

TOPIX

NYダウ

 6月の高値はまだ抜けませんが今月初めの高値保ち合いは抜け掛かって来ました。RSIには上昇余地があるもののストキャスティックスは高値圏にあり、6月高値を意識するところで上値が重くなるのかもしれませんが、強含みの展開には変わりないものと思います。遅行線が日々線にサポートされる格好で押し目を試す場面はあるのかもしれません。

円相場

NYダウ

 遅行線が日々線に上値を押さえられている状況には変わりないのですが、基準線や転換線のサポートも確認できたと思われます。ここからは遅行線が日々線を抜けるか、日々線が基準線や転換線を割り込むかが注目されます。ストキャスティックスは高値圏にあり、RSIは上昇余地もあると言う状況でまだ方向感のない展開が続く可能性もありそうです。

銘柄ピックアップ

決算動向に反応してまちまち

ホンダ(7267) 3010 △240

 昨日の大引け後に2009年4−6月期決算を発表、国内自動車販売の上積みやコスト削減効果などから、2010年3月期通期の業績予想を上方修正したことを好感して買われ大幅高となりました。

ファナック(6954) 7640 ▼170

 昨日の決算発表で2009年4−6月期の単独の受注額が予想を下回ったことを嫌気して売られ、大幅下落となりました。

ユニチャーム(8113) 7670 △110

 本日の新聞で2009年4−6月期の連結経常利益が全年同期比3割増となったようだと報じられたことから、決算発表を先取りするように買いが入り、堅調となりました。

住友鉱(5713) 1392 ▼56

 海外市場で貴金属価格が下落、前日に非鉄金属の価格回復や金価格の高止まりから予想を上回った決算を発表したとこだけに貴金属価格の下落に素直に反応し大幅下落となりました。

明電舎(6508) 574 △15

 昨日の大引け後に発表した4−6月期連結決算は最終損益が赤字と発表されたが、通期業績は黒字で据え置いたことから悪材料視されず、自動車向け計測器の小野測器(6858)との業務・資本提携を発表したことが好感されて堅調となりました。

コナミ(9766) 1988 △122

 2011年3月期に大幅増益となるとして外資系証券が「アウトパフォーム」で投資評価を開始、長期スタンスで買い推奨するとしたことから買いを集め、大幅高となりました。

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