コラム
» 2009年07月30日 07時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:机や壁がノートになる!?――“顧客視点”を教えてくれた落書きノートブック (1/2)

机や壁に落書きするような感覚で、モノを書くことができるノートが発売されている。そうしたノートに触れてみて、筆者は“落書き”を許さない自分に気が付いた。

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の企画・開発・実行、海外駐在を経て、1999年より2008年9月までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略、業務プロセス改革など多数のプロジェクトに参画。 2008年10月1日より独立。コンサルタント、エッセイストの顔に加えて、クリエイター作品販売「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『ナレッジ・ダイナミクス』(工業調査会)、『21世紀の医療経営』(薬事日報社)、『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など。2009年5月より印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載。中小企業診断士。ブログ→「マーケティング・ブレイン


 ノート売り場に迷いこみ、出てこれなくなってしまったことはないだろうか?

 カバーデザインがおしゃれなノート、レアな輸入物、ゴムバンドや磁石付き、B判でもA判でもない変形ノートを手にして、100年ペーパーや耐水紙に「ほほう」と感心したり、巧みなノートカバーに「ハハン」としたり、品定めをし始めるとキリがない。

 あれこれ手に取り、悩んでいるお客さんの観察も面白い。持ち歩けるサイズかどうかカバンに合わせたり、ページをじっくり透かしたり、ぐいっと広げてみたり。「あ、この人はきっと罫線はキライなんだ」「丈夫な糸綴じノートが好みかな」「ノート選びのベテランさんなんだな」とか想像したり。“マーケティング眼”の修行にノート売り場はうってつけである。

TAKEO Rakugaki-choシリーズ

 多種多様なノート文具、消費者はどうやって選ぶのだろうか。基本的なニーズで3つに分類してみよう。

 (1)サイズとページ数、(2)ページデザイン(タテ罫・ヨコ罫・無地など)と紙質、(3)紙の綴じ方とカバー。この3つのどれを優先するか(あるいは目をつむるか)で、選ぶ迷いから抜け出せる。だがノートにはそんな機能的な効用だけではないポイントもある。池袋と渋谷のLoftで2009年7月中旬から販売している「Rakugaki-cho」。ファインペーパーの竹尾と気鋭デザイナー3名によるコラボの“落書き帳シリーズ”を見てみよう。

 「机に落書きしよう!」がコンセプトの「School Desk Rakugaki-cho」は、学校の教室の机写真が全ページのモチーフ。この机ノートより、私の学校時代の机はもっと汚かったけれど。コンパスでタテ穴どころか側面からヨコ穴ドリリングもしたし、マルバツや相合い傘、テスト範囲なのに覚えられない年号も書いた。そんな思い出をほうふつとさせるデザイン。価格はB4(1365円)、B5(1050円)、B6(945円)。

ah_DSC07172S.jpgah_DSC07171S.jpg School Desk Rakugaki-cho

 「Rakugaki-cho Papers」は微妙な“白い盛り(インク)”が、各ページにランダムに印刷されている。写真では写しきれない微妙さだが、見えるだろうか? 白の部分を避けるのか、つなぐのか、無視するのか、考えさせるところが秀逸。A5サイズで1260円。

 「Block」(1575円)も面白い。各ページ全面にミシン目が入り、メモや付せん紙のように切り取っても使えるし、切り取らずにミシン目を罫線と見立てて書くこともできる。

ah_DSC07501.jpgah_IMG_0105S.jpg Rakugaki-cho Papers(左)、Block(右)

 「Rakugaki-cho with Cheer-up words」(945円)のテーマは「元気になろうよ」。数ページごとに1行、真ん中に元気になる言葉が印刷されている。じっと手帳を見て「頑張ろうぜ」と自分をチアアップできる。オチこんだ日には心に光を届けてくれる文句が欲しい。

ah_IMG_0102S.jpg Rakugaki-cho with Cheer-up words
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