米国市場も日本市場も強含みではあるのですが、目先的な過熱感は否めず上値の重い展開となりました。為替も円高傾向にあることや続々と発表される決算も決して芳しいものではなく、上値を押さえる要因となりました。一方で、先物には朝方こそ売りが先行となったもののその後は断続的にまとまった買いも見られ、指数の下支えとなりました。ハイテク銘柄などの指数に影響の大きな銘柄に外国人と見られる買いもあって先物へのまとまった買いに繋がったのかもしれません。
決算発表に敏感に反応する動きとなっていますが、取引時間中の発表は反応が「ワンテンポ」ずれるような気がします。決算が事前の予想よりも良いのか悪いのかを瞬時に発表が行われたときに反応するというよりは、決算発表を見て動いた方に動くということが多いのではないかと思います。
事前に目先筋の売買のなかで決算の内容が織り込まれるような動きと逆に目先筋に買われていたものの決算が予想に反し悪かったというようなこともあるようで、決算発表の時には目先筋の動きも注意が必要です。決算の発表に敏感に動ける人はともかく、敏感に動き難いのであれば中途半端に動きについてみたり、逆に、決算数字に「賭ける」ようなことは控えた方が良いと思います。
「うまく行く」ことが難しく、逆に決算発表の内容をじっくりと吟味し、業績が回復傾向にあるのであれば、目先筋の買い一巡後に落ち着いたところで買えば良いし、逆に芳しくない決算でも目先的な売りが出尽くしたところは「売られすぎ」となって、戻るかもしません。情報は次々と入って来るのですから、その情報が入るたびに敏感に反応するも良いかもしれませんが、それらの情報を集めて分析した方が良いのではないかと思います。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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