なぜブログは炎上するのか? “嫌いな人が好き”の論理上杉隆×ちきりん「ここまでしゃべっていいですか」(1/2 ページ)

» 2009年07月27日 11時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 全10回でお送りする、ジャーナリスト・上杉隆氏と正体を明かさない社会派ブロガー・ちきりんさんの対談。なぜ人は、他人のブログに批判的なコメントをつけるのか? ネガティブなコメントばかり書く人の深層心理に迫った。

 →NHKを1週間で左遷され……政治とメディアの世界を“いったりきたり”(第1回)

 →なぜちきりんさんは、正体を明かさないのですか? (第2回)

炎上とは幻想で、架空そのもの

ちきりんさん(左)とブログの炎上について語る上杉隆氏

ちきりん 上杉さんのところに、読者からの批判メールなどは来るのですか?

上杉 自分のブログにメールアドレスを公開していますが、メールアドレスに来るものは真っ当な批判が多いですね。自分の正体(名前など)を明かして「間違っているのでは?」「私はこう思いますよ」といった建設的な批判が多い。

 ただコメント欄には、匿名でヒドイものが多いですね。時間がもったいないので相手にはしませんが、やはり実名で書くということはある一定の歯止めになるのでしょう。

 以前、ブログで靖国問題のことを書いたら炎上してしまいました。3日間くらい放置していると、700以上のコメントが付いていたので、IPアドレスをチェックしてみた。すると、コメントしているのはたったの4人。

ちきりん えー、たったの4人!?

上杉 このことを知って「しょせん、炎上というのはこの程度のことなんだな」と思いましたね。よく芸能人のブログが炎上することがありますが、炎上とは幻想で、架空そのものです。

 1人で400以上のコメントを付けた人に、ブログ上でIPアドレスをさらし「ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」と書いた。すると次の日から、その人からのコメントはゼロ。逃げてしまったようですね。

ちきりん ブログにコメントを残すと、IPアドレスが残ってしまう。自分の身元がバレてしまうことについて、多くの人は分かっているはず。だけど朝日新聞の記者が、2ちゃんねるに差別的な書き込みをしたため、2ちゃんねるがそのIPアドレスからの書き込みを禁止した。会社のPCから2ちゃんねるに書き込むということは、匿名ではないということ。これが分からないという記者は、あまりにもITリテラシーが低いということですね。

上杉 実は、僕のブログにコメントをつける人の多くは同業者なのです。

ちきりん ということは上杉さんの場合は、メディア関係の人が多い?

上杉 ですね。ブログというのは幅広い人に読まれているように感じるかもしれませんが、僕のブログの読者は身近な業界の人が多い。なのでブログの批判といっても、リアルの世界とあまり変わらないですね。

ちきりん ブログでコメントをつけるという行為は、ストレスを発散させたいからでしょうかね? 1人で何百ものコメントをつけたり……。

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