三洋電機は7月24日、電動ハイブリッド自転車「eneloop bike」(エネループバイク)の新製品として、折りたたみ型と高級スポーツタイプの2モデルを発表した。
折りたたみ型「CY-SPJ220」(9月21日発売)はオープン価格で、実売予想価格は10万円前後。高級スポーツタイプ「CY-SPK227」(10月1日発売)は62万7900円。
エネループバイクは、前輪にモータが付いた電動自転車。走行中の運動エネルギーを電気エネルギーに変えて充電する回生充電機能を備えている。ブレーキをかけたり下り坂を走行している時は、モーターが発電機に切り替わり、走りながら充電できる。
両モデルとも基本性能は従来モデルと同じで、人がペダルをこぐ力の2倍の力で走行を補助するモードを搭載する。人の力は後輪に、モーターの駆動力は前輪に分配する「両輪駆動方式」を採用し、安定感も高めている。
CY-SPJ220は、折りたたみ型自転車として業界で初めて、両輪駆動を採用した。タイヤは20型と小径。全長は1550ミリあるが、折りたたみむと835(幅)×520(奥行き)×730(高さ)ミリと、半分ほどになる。重さは18.5キロ。
車に乗せてレジャーで使ったり、駐輪場のないマンションで室内や玄関先に置いておける。ボディカラーはホワイト、レッド、ブラックの3色。電源はニッケル水素充電池。
高級スポーツタイプのCY-SPK227には、F1レースカーのボディ成型にも使われる、軽量で振動吸収性の高いカーボンコンポジットフレームを採用した。素材やパーツは、「マニア受けのいい最高のものを集め、世界一を自負している三洋のモーター電池と駆動ユニットを乗せた」(三洋電機コンシューマエレクトロニクスの和田隆弘副社長)という。
車輪がスリップするような状況でも、ペダルをこげばモーターが回転を続ける「スポーツトラクションモード」を備え、車輪をすべらせたまま走るドリフト走行なども可能になった。
全長183センチで、重さは19.5キロ。電源はリチウムイオン充電池。完全受注生産で、ターゲットは「本当に自転車が好きで、1日に300〜400キロ走るマニアの世界にあこがれるが、体力がない方」(和田副社長)だ。
「おしゃれな自転車に乗りたいという女性の声やスポーティな自転車に乗りたいという男性の声を試乗会で受けた」(三洋電機コンシューマエレクトロニクスの谷口哲哉サイクル商品企画部長)ため、都市生活者に人気があるという車輪が小さなモデルと、スポーツタイプの新製品を開発した。
世界展開も計画しており、「欧州には心臓部のユニットを、米国には完成車を出荷する」(和田副社長)。欧州向けの部品はすでに少数輸出しており、この秋以降に拡大。2010年から本格展開するという。米国向けの完成車は2010年度から本格的に販売する予定だ。
自転車協会の調査によると、2008年度の電動アシスト自転車市場は31万6000台。国内出荷台数では、原動機付き自転車を電動アシスト付き自転車が抜いた。
和田副社長は、「電動ハイブリッド自転車の時代が新しく始まると確信している。世界の1人でも多くの人にエネループバイクに乗ってもらいたい。資源枯渇問題に少しでも風穴を開け、美しい地球を次世代の人たち、子供たちに任せていきたい」と述べた。
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