週末の手仕舞い売りやヘッジ売りに押され上値は重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年07月24日 15時57分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国株が大幅高、為替も円安となったわりには相変わらず上値の重い展開となりました。外国人も大幅買い越しと伝えられたことなどから、買い先行で始まったものの週末の手仕舞い売りや週末の米国市場への不安からヘッジ売りもかさみ上値を押さえる展開となったものと思います。目先筋が中心となっているだけに手仕舞いの売り買いのスピードも早いということなのでしょう。

 外部環境も足元の経済情勢も株式市場には追い風となっているような気もするのですが、相変わらず上値の重い展開となっています。ドルやユーロが堅調、商品市況も強含みであり、ここのところ懸念されていた信用収縮の懸念も薄れており、その証拠に外国人の売買動向などを見ても買い越し基調ではあるのですが、株価への反応は鈍いようです。

 株価の動きの鈍さにはいくつかの理由が考えられますが、市場参加者がなかなか増えないということも一つの理由ではないかと思います。特に、「バイアンドホールド」と言われるような中長期の投資家が増えないことで、目先的な需給や材料、あるいは値動きそのものに右往左往して、しっかりと買い切る投資家がいないということではないかと思います。

 指数が連騰となってもしっかりとした買い手が現れれば徐々に物色対象も広がり、指数の底堅さを確認しながら外部環境などの好転を織り込んでいくことになるのでしょうが、どの材料も、業績の好転という材料すらも目先的な材料として考えられて長続きしないということが上昇が持続しない、外部環境の割りには上値の重い大きな要因なのでしょう。少し先を見れば買い場となる銘柄も多く、目先的な売り物にも慌てずに、あたふたとしないような投資を考えてみてもいいのかもしれません

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.