住宅指標にも好転の兆しが見られ、景気敏感銘柄などが買われ大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年07月24日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9069.29△188.03

<NASDAQ>1973.60△47.22

<為替:NY終値>95.06-95.12

住宅指標にも好転の兆しが見られ、景気敏感銘柄などが買われ大幅高

 朝方発表された6月の中古住宅販売が予想を上回ったことや自動車メーカーの赤字も予想ほど悪くなかったことに加え、引き続き好調な決算を発表する企業が多かったことなどから、景気回復期待が徐々に確信に変わるような格好で指数を押し上げ、大幅高となりました。ナスダック指数は1992年以来の12日連続上昇、ダウ平均も今年1月の高値や節目と見られる9000ドルを抜けて底入れ確認となって来たものと思います。景気回復が確認されつつあるということで、信用収縮懸念が薄れ、リスク許容度も上昇、原油価格や貴金属価格など商品市況も堅調、為替もドルやユーロが堅調となりました。

 好調な企業業績の発表に加え、経済指標、特に住宅指標が好調となったことで上昇に弾みがつきました。住宅指標が好転するということは個人消費などの底堅さ、雇用不安の解消なども期待されるということで、好調な企業決算以上に景気回復に対する期待が強まったものと思います。また、こうして経済指標に好調なものが見られると好調な決算に敏感に反応、芳しくない決算でも比較的好意的に反応するということなのでしょう。ただ、引け後の金融株やインターネット関連銘柄の決算が芳しくなく、時間外取引で売られていることから、週末はいったん手仕舞い売りに押されて上げ一服となって来るかもしれません。

 個別には4−6月期の売上高が予想を下回ったマクドナルドが下落、売上高見通しが予想を下回ったサンディスクも大幅下落となりました。景気回復期待が高まっているところで、収益見通しが引き上げられたスリーエムが大幅高、連れてデュポンやアルコアなど景気敏感銘柄が大幅上昇となりました。1株当たりの赤字が予想ほど悪くなかったフォードも買われ、前日引け後の決算で売上高が予想を上回ったイーベイも大幅高となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国ハイテク銘柄が堅調となったことや円安を好感して堅調となりました。外国人が引き続き買い越しと伝えられたことや貿易収支で輸出の回復が見られたことなどから輸出関連銘柄が高く、東証一部では値上り銘柄数が値下り銘柄数よりも少なかったのですが、指数は堅調となり、9日続落の後、7連騰となりました。

 米国株が大幅高、指数が節目を抜けて来たことに加え為替も対米ドルばかりではなくユーロなどに対しても円安となったことから買い先行となりそうです。世界的な株価が大きく上昇となったことや米国でも目先的な達成感が出て来る可能性もありそうで、週末の手仕舞い売りやヘッジ売りも気になるところではありますが、本格的に始まった決算発表も業績の底入れ感を示すものも多く、経済指標も日米共に景気の好転を示しており、ハイテク銘柄など輸出関連銘柄を中心に買われるのではないかと思います。資源・エネルギー関連銘柄も市況の回復から戻りを試すことになりそうですし、ディフェンシブ銘柄などは出遅れ感からの水準訂正も期待出来そうです。

 日経平均は10000円を目指す展開となって来そうです。新興国の株価は昨年秋の水準まで戻り、米国でもナスダック指数もダウ平均も暴落前の水準を目指す方向となっており、日本市場でも再び昨年秋の暴落時の「真空地帯」を埋めるような動きとなることが期待されます。日経平均は一目均衡表の雲を抜け、遅行線ももう一段の上昇で日々線を抜けて来るところなので、買い転換が期待されますが、TOPIXが今一つ抜け切っておらず、少し懸念されるところです。売買高が増え、物色対象に広がりが見られれば目先的に連騰となってはいるのですが、大きな上昇の第一歩となって来るものと思います。

本日の注目点

◇09年度の経済財政白書を公表(内閣府)

◇5月の全産業活動指数(経産省)

◇決算・4−6月期:野村総合研究所(4307)、花王(4452)、日本電気硝子(5214)、日本電産(6594)

◇決算・4−6月期:韓国サムスン電子、起亜自動車、ハイニックス半導体

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