好材料に反応し切れなかったものが円安をきっかけに反応して堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年07月23日 15時46分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 ようやく米国市場の戻り相場についていくような展開となってきました。昨日まで6連騰となっていたこともあり、寄り付きから上値の重い展開ではあったのですが、為替が円安に振れたことで一時大幅高となりました。米国でもハイテク銘柄が堅調であったことや朝方発表された貿易収支で輸出が回復しており、指数に影響の大きなハイテク銘柄など輸出関連銘柄が大きく上昇したことで日経平均も上値の節目と見られる水準を一気に抜けて来たようです。

 今月は月初から9日連続下落となり、どうなることかと思われましたが、その後一転して本日の上昇で7日連続しての上昇となりました。形としては米国市場が続伸していることに引きずられたということなのでしょうが、上値を押さえていた売り方が今度は買いに転じたということなのでしょう。

 原油価格や金価格に代表されるような商品市況が戻っていることで業績云々というよりはそれだけリスクを取れる資金が再び「市場」に戻って来た、ということ、それに加えて米国で決算発表が本格化するなかで「回復」が見えて来たことで改めて日本市場の出遅れ感が出ていることもあり、持高調整の売りも一巡したものと思います。

 最近では米国市場の動向、特にダウ平均が高いか安いか、という単純なことではなく、商品市況、つまりはリスクを取れる資金がどういう動きをしているか、などに影響されることが多く、ただ単純に原油が高い、金が高いから収益が云々というよりは原油が高いということは投機資金が動いている、とか、米国の金利が上昇すると信用収縮の動きが出て、日本でも持高調整の動きから円高、株安となる、など株式市場以外の動きも注意して見ておく必要がありそうです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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