120秒が5秒になった――LEDがなし遂げた“ネイルの大発明”とは郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)

» 2009年07月23日 07時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]
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広がるLEDの用途

 松風とネイルラボの共同開発は3年ほど前にスタートした。きっかけは歯科材料とネイルケア材料の技術的な関連の深さから。歯の充填材やホワイトニング材も、ネイルケアのジェルも、生体親和性と安全性が求められるのは同じ。歯医者さんで詰め物をした後、「ちょっと熱くなりますよ?」と光る器具を口に入れられた経験のある人も多いだろう。あれもLEDライト照射だ。

 LEDは信号や屋内外の照明、自動車ランプだけではなく、電子看板や照明通信ネットワークなど明かり以外の用途にも展開が広がっている。LEDが大きな市場になるのはその応用範囲の広さゆえだ。

技術ブレイクスルーがネイル業態を変える

 Prestoのユニークさにはもう1つ、“かくはん不要のカラージェル”を使うことも挙げられる。従来のジェルの中には固まりやすいものも多かったため、かくはんが必要だった。ようじでよく混ぜるそうだが、ムダが出るし(ようじに付いて捨てるジェルは14人分に相当)、不衛生。容器が積み重ねられて、狭いスペースが有効活用できるなど、出張ネイリストに細かい配慮もある。

 ネイリストのウケは上々のようだが、今までと違うシステムなので新規投資になってしまう(Prestoはプロ向きなので市販はせず卸のみ)。そこがハードルにはなるが、このシステムを利用すれば速さを訴求してエキナカに“QN(クィックネイル)サロン”を展開することも可能。起業家には“モーニングネイルケア”を検討していただきたい。技術ブレイクスルーがネイル業態を変えるまでに“長い照射時間”はかからないだろう。

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