円高を嫌気する動きから軟調に始まったものの先物主導で大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年07月22日 15時55分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 昨日と同じように結果的には米国株高を受けて堅調ということなのですが、寄り付きは売り先行で始まるなど円高を嫌気する動きから始まりました。昨日同様に後場に入ってから先物にまとまった買いが入って指数を押し上げる展開となりましたが、相変わらず盛り上がりに欠ける展開であり、堅調な銘柄を見ても、売られ過ぎの修正が続いているというような印象です。

 市場のもたつきの要因としては大型公募増資が多いということもありそうですが、物色対象が絞りきれない、相場のテーマが見当たらないということも言えそうです。「環境関連」「電池関連」などはある程度語りつくされ、「スマートグリッド」や「クラウドコンピューティング」などは円高や不況の影響で携わっている企業の業績があまりにも芳しくなく、「農地法改正」などから「農業関連」も期待されたほど盛り上がっていません。

 選挙がらみの「民主党関連」などはほとんど「こじつけ」の域を出ず、原油価格や貴金属価格、穀物価格なども落ち着いてしまって「市況関連」銘柄も何となく手掛け難いということなのでしょう。そうなれば、ディフェンシブ銘柄などの出遅れ銘柄などの水準訂正となってもいいのですが、それだけでは手掛け難いのかこれもまた今一つ乗り切れないようです。

 ただ、目先的な動きに一喜一憂するつもりでないのであれば、こうした何となく落ち着いた(閑散とした?)時、そしてまた、デフレスパイラルの懸念が薄れているところでもあることから低PBR(株価純資産倍率)銘柄や高配当銘柄などに注目しても良いのではないかと思います。配当も減額の可能性もあることはあるのですが、ディフェンシブ銘柄、低PBR銘柄でも高配当となっている銘柄も多く、業績底入れを決算発表で確認しながら拾っておくのも良いのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.