実際のところ、このリスク・リバーサルを導入すれば、返品率はある程度高まることは事実だが、それ以上に売り上げの飛躍的な向上につながるという統計も出ている(実際に弊社でも大きな売り上げの向上が見られた)。
問題はリスク・リバーサルの導入法である。ただ単に返金保障を行うだけでは、冷やかし客などをみすみす招き入れてしまうことになる。そこで返金に応じる際にはある一定の条件を事前に検討しておく必要がある。
例えばロッテリアの場合、同社のWebサイトに返金の条件を以下のように謳(うた)っている。
- 半分以上お召し上がりになられた場合は返金できません。
- レシートと現物をご持参の上、購入店舗まで当日中にお申し付けください。
- 今後の商品開発の参考にさせていただきますので、アンケートのご協力をお願いいたします。
- セットでご注文いただいても単品価格分の返金とさせていただきます。
- クーポン利用でご購入の場合は単品価格分をお返しします。
- インビテーションカードをご利用された場合は返金できません。
- お1人様1回のみとさせていただきます。
- 個数限定のため、販売およびキャンペーンが終了する場合もございます。
※ロッテリアの公式Webサイトより引用
特に顧客から返金する理由を尋ねることは商品を改良していく上で非常に大きなヒントが得られ、長期的にみれば損失以上の利益を生み出す要素とも成り得るし、一般的なマーケティングコストと考えれば決して高いものではないだろう。
このような顧客のリスクを限りなくゼロに近づける“リスク・リバーサル”は、特に高額商品や高額サービス、購入するまでは内容を確認できないものに威力を発揮する。今一度自社のビジネスモデルを分析し、顧客にリスクを背負わせていることが原因で売り上げが伸び悩んでいるようであれば、リスク・リバーサルを導入することにより業績のブレークスルーが見込めるはずだ。(安部徹也)
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