予想を上回る決算が相次いだことで景気回復期待が強まり大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年07月16日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8616.21△256.72

<NASDAQ>1862.90△63.17

<為替:NY終値>94.22-94.28

予想を上回る決算が相次いだことで景気回復期待が強まり大幅高

 注目されたインテルの決算が予想を上回ったことやカード延滞率の低下、投資判断の相次ぐ引き上げなどから、景気回復期待が強まり大幅高となりました。決算発表が始まったところで好調な決算が相次いだことで悲観的な見方が払拭されて、好決算の発表に素直な反応となったものと思います。信用収縮からの売りも一段落となったこともあって、為替も 米ドルやユーロが強含みとなり、原油価格などの商品市況が反発となったことも景気回復を裏付けるものと好感されて、悲観論から売られすぎた銘柄を中心に一斉に買われました。

 景気回復期待が強まったことや信用収縮の動きが一段落となったことで、大幅高となりましたが、長期金利の上昇などは今後も懸念材料として取りざたされるものと思います。為替も売られ過ぎの反動や金利上昇、景気回復期待からドルが強含みとなってはいるのですが、株価の上昇に比べると戻りが鈍いような感じです。引き続き決算動向に一喜一憂しながら景気回復を織り込んでいくことになるものと思います。

 個別には前日の引け後に好決算を発表したインテルは大幅高、同業のアドバンストマイクロデバイス(AMD)も堅調となりました。6月のカード延滞率が前月から低下したと伝えられたアメリカンエクスプレスも大幅高となり、決算発表を控えたJPモルガンチェースも高くなりました。前日好決算を発表したゴールドマン・サックスも利益予想や目標株価の引き上げもあって高く、エクソンモービルやシェブロンといった石油関連銘柄なども原油価格の反発を受けて堅調となっています。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高、円安、米国市場の引け後のハイテク銘柄の好決算に加え、外国人も買い越し基調と伝えられるなど買い材料が揃っていたことなどから買い先行となりました。ただ、引き続き信用収縮からの持高調整と見られる売りが出ていることや景気の先行きに対する警戒感、などで上値が重く、上値の重さを嫌気した目先筋の見切り売りなどもあって小動きとなりました。

 昨日はインテルの好決算の発表に反応し切れませんでしたが、米国株が大幅高となったことで、買い先行となりそうです。為替も円安、特にユーロで円安が進んだことから信用収縮からの持高調整も一段落となる可能性も高く、売られ過ぎた資源株やハイテク銘柄、機械株などの反発が大いに期待されます。ディフェンシブ銘柄は乗り換え売りの対象となり易く、見送られる可能性もありそうですが、全体的に売り一巡感が出始めていることもあり、「全面高」となる可能性もありそうです。

 9000円水準の下値を確認した割りには昨日の戻りは鈍い感じでしたが、米国株高から次の節目となった9500円水準を抜けて来るかどうかが注目されます。シカゴ市場(CME)の日経平均先物は9500円水準を抜けていますが、日本市場でそこまでついていけるのかどうかというところです。9500円をあっさりと抜けて来るようであれば、今後9300円から500円と言う水準を固める動きとなり、決算動向次第では再び10000円を目指すということになりそうです。売り方の「踏みあげ(買戻し)」がどの程度入るのか、大いに注目されます。

本日の注目点

◇7月の金融経済月報(日銀)

◇5月の第3次産業活動指数(経産省)

◇4−6月期の中国国内総生産(GDP)など中国の主要経済統計発表

◇決算・4−6月期:米JPモルガン・チェース、IBM、グーグル、スイス・ノバルティス、韓国LGディスプレー

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