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» 2009年07月14日 20時11分 UPDATE

誠 Weekly Access Top10(2009年6月27日〜7月3日):都議会議員選挙で投票率94.05%を記録した島

近く行われる衆議院議員選挙の前哨戦として注目された都議会議員選挙。近年、選挙では投票率の低下が問題となっているが、そんな中94.05%の投票率を記録した島があった。

[堀内彰宏,Business Media 誠]

 先週最も読まれた記事は「宮崎駿は作家であり、僕は作家でなかった――富野由悠季氏、アニメを語る(前編)」。2位は「ガンダムは作品ではなく“コンセプト”――富野由悠季氏、アニメを語る(後編)」、3位は「各地で急増する“女子”たち……。何歳までが女子?」だった。

投票率94.05%の島

 近く行われる衆議院議員選挙の前哨戦として注目された都議会議員選挙。与党である自民党と公明党が過半数割れし、民主党が第1党となる結果となったのだが、投票結果の詳細を見ていて驚いたことがある。投票率が異常に高い地域があるのだ。

 それは東京から約140キロ南の伊豆諸島にある利島(としま)村。有権者数252人に対して投票者数は237人、投票率は実に94.05%とダントツでトップ(東京都全体では54.49%)。

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ah_touhyo2.jpg 2009年東京都議会選挙投票結果(出典:東京都選挙管理委員会)

 「衆議院議員選挙前で関心が高かったために、投票率が上がったのではないか」という意見もあるかもしれないが、投票率が高いのは今回だけではない。過去にさかのぼって調べてみても、都議会議員選挙(1997年90.25%、2001年93.55%、2005年95.55%)、衆議院(小選挙区選出)議員選挙(2000年85.04%、2003年92.28%、2005年91.41%)とほとんどの選挙で90%を超えている。むしろ、今回の都議会議員選挙では、前回より投票率が下がっているぐらいだ。

 何か特別な取り組みをしているのかと思い、利島村役場に電話で聞いてみたが、「特別な広報はしておらず、本土から送られてくる選挙案内のパンフレットを配布しているだけ」だという。それでも有権者の意識は高いようで、投票日12時時点での投票率も46.43%(東京都全体では18.58%)と、投票者全体の49.37%が昼までに投票していることになる(東京都全体では34.10%)。

 利島村の民宿「利島館」にも尋ねてみると、「集落が小さいので(利島村の面積はわずか4.12平方キロメートル)、村のどこからでも投票所に10分で行ける。また選挙に行かなければいけない雰囲気があるので、病気や寝たきりの人でない限り投票している。それに島が狭いので投票に行かなかったら、行っていない人がいれば何となく分かってしまう。私も本土にいたころは投票に行ったことがなかったが、島に戻ってきてからは毎回行っている」ということだ。

ah_tosima.jpgah_tosimap.jpg 利島村公式Webサイト(左)、利島は伊豆諸島の1つ(出典:Google Map)

 前回(2005年)の衆議院議員選挙の地域別投票率を分かる範囲で調べてみると(香川県などでは地域別投票率のデータがWeb上に見当たらない)、1位は新潟県粟島浦村で95.53%(ちなみにワースト1位は青森県大間町で45.15%)。この村も日本海に浮かぶ離島で、面積は9.86平方キロメートルと利島村と同じような条件。平均年齢が高いこともあるかもしれないが、狭い島ならではの濃密なコミュニティが投票率の高さにつながっているようだ。

 このあたりからうまく学ぶことができれば、日本全体の投票率を上げることができるかもしれない。とはいえ、地域コミュニティを密にすることは時代の流れと合っていない気がするので、今後はネット上でのコミュニティがカギとなるのではないかと筆者は思う。実は筆者はtwitterの楠正憲氏の投稿をきっかけに投票に行ったのだが、そうしたサービスのようなものが今後、大きな役割を果たすようになるかもしれない。

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