米国市場が大幅高となったことや前日の大幅下落の反動で大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年07月14日 16時06分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9261.81円 △211.48円
売買高 22億3296万株
日経平均先物 9250円 △210円
売買代金 1兆4783億円
TOPIX 868.57 △16.15
値上がり銘柄 1173銘柄
東証マザーズ指数 403.03 △14.64
値下がり銘柄 445銘柄
日経ジャスダック平均 1168.08円 △5.53円
変わらず 81銘柄
騰落レシオ 92.79% △5.26%

日経平均

米国市場が大幅高となったことや前日の大幅下落の反動で大幅高

 昨日の米国市場が金融不安が薄れたことから大幅高となったことや為替が落ち着いていることから、買い先行となりました。買い気配から始まるものが多く大幅高の始まりとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が昨日に続き買い越しと伝えられたことも買い戻しを急がせる要因となったものと思います。寄り付きの買いが一巡した後は戻りの鈍さを嫌気するような動きになりました。ただ、引け間際から先物にまとまった買いが入ってほぼ高値圏で前場の取引を終了しました。

 後場に入ると一段高となりました。寄り付きこそ前場の引け水準での始まりとなり、上値の重さを嫌気する動きから目先筋の利益確定売りに伸び悩む場面もありました。ただ、逆に持高調整と見られる下値を売り叩くような動きは見られず、先物主導で昨日の下落幅をとり戻すかのような上昇が見られる場面もありました。ただ、そうした買いも物色対象が広がらずに上値が限定され、最後は買戻しと見切り売りが交錯となり上値を窺うかのような場面もあったのですが、結局、昨日の下落幅は取り戻せずに終わりましたが10日ぶりの上昇、大幅高となりました。

 小型銘柄も昨日の下落が強烈であっただけに堅調なものが目立ちましたが、買戻しも限定され、市場参加者の裾野も広がらず、東証マザーズ指数や二部株指数は大幅高、日経ジャスダック平均も堅調なのですが、昨日の下落の割りには反発も鈍いという感じです。先物も朝方からまとまった買いは散発的に見られましたが、先高期待や底入れ期待から積極的に買い上がるような動きも、下値でじっくりと拾うような動きも少なく、まとまった買いが入るとしっかりとまとまった売りが出る、と言うような状況でした。

 連続下落記録も途切れ、ひとまずはほっとしたところですが、改めて戻りの鈍さを見せ付けられた格好です。米国発の金融不安、信用収縮の動きは一段落となったようなのですが、昨日まで売られていたものが買戻しが入って堅調となっているだけと言う感じです。信用収縮懸念が薄れた割りにはディフェンシブ銘柄が売られ、全面高とならないところに戻りの弱さが出ているのではないかと思います。政局や業績への不安よりも、信用収縮による目先的な需給懸念、また公募増資が多いことも信用が収縮しているから公募に頼らざるを得ないという見方もあり、相場には悪影響となって戻りも鈍いものと思います。好調な決算を目の当たりにすればしっかりと腰の据わった買いも入り、再び上昇となって来るのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 雲の中での動きとなりました。昨日の下落を全て取り戻すことはありませんでしたが、底堅さを確認するにはたる結果となりました。RSIはまだ下落余地もありますが、底値圏にあり、ストキャスティックスも底値圏からの反発を示唆しており、雲の中で下値を試しながらも堅調に戻り歩調となって来るのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 RSIには下落余地もありましたが、底値圏にあり、ストキャスティックスも底値圏にあったことから反発となりました。昨日の下落で、雲の下限のサポートを確認した格好となり反発となったものと思います。引き続き雲の下限でのサポートを確認する場面もあるのかもしれませんが、雲の上昇に合わせるように戻り歩調となって来るものと思います。

円相場

NYダウ

 1月から2月の戻り高値水準である1ドル=92円のところで下げ渋ってはいるのですが、戻りも鈍くなっています。移動平均線や基準線からの乖離も大きく、RSIは下落余地がありながらも底値圏に近く、ストキャスティックスも底値圏にあることから、底堅さも見られ反発も期待されます。遅行線が日々線が6月に高値をつけた日柄に対応しており、「天−底」一致となってここから反発となるのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

「リターンリバーサル」の動きで売られていたものが買われ、買われていたものが軟調

マクセル(6810) 1126 △61

 リチウムイオン電池の原材料コストを低減する。正極の主要材料であるコバルトの価格が高止まりしていることから、ニッケルなどの安価な他の材料に切り替え、コバルトの使用量を9割削減する。と報じられ、コスト低減を評価する動きから大幅高となりました。

GSユアサ(6674) 755 △40

 乱高下となりました。朝方は米国株高や前日の大幅下落の反動から買い先行で始まったものの、公募増資を発表したことから、株式価値の希薄化懸念で売られ、一時軟調となったのですが、軟調となる場面では買戻しも入り一気に切り返して大幅高となりました。その後上げ幅を縮小する場面もあったのですが、結局最後も買戻しが入って大幅高となりました。

三菱商(8058) 1623 △60

 原油価格などの下落を嫌気して前日まで日経平均と同じように9日連続下落となっていた反動やスペインの新エネルギー会社との提携報道を好感して買いが入り、大幅高となりました。

コマツ(6301) 1380 △85

 2009年4−6月期の連結営業利益が前年同期比94%減となったと新聞で報じられましたが、1−3月期に比べ改善が見られたことや黒字を確保したことを好感、前日まで8日連続して下落していた反動もあって大幅高となりました。

住友ゴム(5110) 793 △35

 外資系証券会社が同社を原材料コストの上昇などの懸念材料はあるものの、タイヤの買い替え需要回復を評価し、上昇余地があるとして「買い」の投資判断、目標株価950円として調査を開始したことを好感して買いが入り、大幅高となりました。

森永乳(2264) 379 △13

 業績が好調に推移、2010年3月期も会社予想を大きく上回る前期比20%営業増益を予想して、国内大手証券が「買い」で投資判断を開始したことから、好感する買いが入りディフェンシブ銘柄が軟調な中で大幅高となりました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.